【鬼滅の刃】D組の不死川君06【不死川実弥】

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冨岡君の足りない言葉を補い、確認を取りつつなんとか会話が成立した。



冨岡君は、実果子が好きで告白しようと思い、B組に来たのは良いが仲良くもないのに告白するのは如何なものかと思案してると、意中の相手である実果子に話し掛けられて頭が真っ白になり、たまたま目に入った私を呼び出してしまったらしい。



『私も微力ながら協力はするけど……あまり期待しないでね』



正直言って、実弥との関係が上手くいっていない私が冨岡君と実果子を取り持つのは難しい



「すまない」



そう一言告げて去っていく冨岡君がC組に入っていくのを確認して自分の教室に戻ろうと振り返ると、数メートル離れた場所にいる実弥と目が合う



昨日の光景を思い出すだけで目頭が熱くなる


まだ心の整理ができていないながらも、段々と近づいてくる実弥に声を掛けようと口を開いた。



ふわりと、爽やかな匂いと共に私の髪を揺らす風。



確かに目が合ったはずなのに、ここに私が存在しないかのように横を通り過ぎていく。



たった今起きた出来事が理解出来ずに呆然と立ち尽くし、実弥が歩いていった廊下をただ見つめる

段々と焦点が合わなくなり、ぼやける風景。






「Aさん？もう本鈴なったわよ」



教科担任の声に意識が浮上する。



『あ、はい……ごめんなさい』



教室内に入ると、みんな席に座っていて注目を集める



地に足が着いてるのかあやふやで、自分が真っ直ぐ歩けている感じがしない


それでもなんとか席に着くと、それを確認した担任が始業の挨拶もそこそこに板書を始める。


ノートにシャーペンを走らせようとするが黒板の文字が、ただの記号に見えて何も頭に入らないまま時間が過ぎた。




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