友情 ページ6
.
さっきまでデザートを頬張っていたはずの山田はフォークを置いて困った顔で縮こまっていた。
…………困るんだよなぁ。
俺、山田のことになると抑えられねぇからさ。
大「うちのに何か用ですか？」
「あー、いや。席が空いてなかったから」
大「なら向こうにありましたよ。それかここ譲りましょうか？俺らもう行くんで」
伝票を片手に山田を立たせてさっさと会計を済ませて店を出る。
こういう場面でだけは彼氏面してても変には思わないし逆に感謝されるからいい気になって。
涼「……ありがとう、」
大「ああいう男は絶対やめとけよ。すぐ浮気すっから」
涼「そのくらい分かるって。経験あるし……」
山田に初めて恋人が出来たと聞かされたのは中学一年の時だった。
山田の隣に女なんか似合わねぇ、と思っていたら彼氏だと言われて多少驚きはしたが納得したっけ。
それと同時に…………猛烈な後悔。
俺が山田に抱いていた想いの正体を知った。
大「山田はいつも受け身だからな。
今度は自分から好きになった相手と付き合ってみろよ」
涼「好きって言われると意識しちゃって……目で追ってるうちに僕も好きかもって……」
好意を抱いてるやつなんか山程いるのに敷居が高そうでなかなか近づけない。
それを軽々踏み込んでくるやつは結局ろくでもないのばかり。
大「それで何股も掛けられてたり、浮気されたり、既婚者だったり、だろ？」
涼「ぅ……そうだけど……」
大「今度は付き合う前に俺に紹介しろ」
涼「なんで？」
大「見極めてやっから」
涼「だいちゃんに出来んの？」
大「山田よりは見る目ある」
涼「そのわりにだいちゃんから恋人の話聞いたことないけど？」
………言えるわけねぇだろ。
お前を諦めるために好きでもないのに付き合って別れた話なんか。
大「俺は慎重派だからな」
涼「僕が軽いって言いたいのかよ」
完全に否定はできない。
そう思うところもある。
誰でも構わずでは無いにしろ、もっと自分を大切にしてほしい。
涼「………そうだよね。結局皆僕のこと遊び相手としか思ってないんだ。
男だし、こんなだもん………恋人になろうなんて百年早いか……」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 364人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ciaociao(プロフ) - 夢莉さん» ああ、、よかったです！安心して読めます、、 (2021年8月16日 19時) (
レス) id: bf965fb6b3 (このIDを非表示/違反報告)
夢莉(プロフ) - ciaociaoさん» 楽しみの一つにしていただけて光栄です。ありがとうございます…！私自身、ハッピーエンド主義なので…見守っていただけたら嬉しいです！ (2021年8月13日 20時) (レス) id: 7762ef5dd7 (このIDを非表示/違反報告)
ciaociao(プロフ) - 続きが楽しみで楽しみで、日々の楽しみが増えてうれしいのですが、「報われないarさんのお話」とあるのが大変気になります。わたしは基本ハッピーエンドが好みなので、是非arさんとハッピーエンドをお願いしたいです。まだ始まったばかりなのにすみません、、 (2021年8月12日 20時) (レス) id: bf965fb6b3 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
