誘い ページ36
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大「…はぁ、」
馬鹿だなぁ俺………
伝えられる機会はあったのに今まで逃げ道ばっか探してただろ。
そのくせ傷ついた姿をみては、俺なら泣かせないのに……なんて土俵に上がる度胸もないのに思って。
………遅いんだよ。
湯船に張ったお湯に揺れて写った自分はくすぶった顔をしていた。
大「山田、風呂いいよ。湯加減の調節できるよな？
怪我してるとこ染みるだろうから気を付けろよ」
棚から取り出し手渡したタオル。
これももう何十回と洗濯機に回されて当初の肌触りとは変わってしまった。
なのに山田は“これがお気に入り”と言うから……替えられずにいるんだよな。
“かえられる”のに“かえない”
涼「……だいちゃん…」
大「ん、」
………見て分かるくらいボロボロなのにな。
涼「………いっしょに…入る……？」
大「えっ…？」
涼「一緒に、入ろ？」
俺よりもちょっとだけ背の低い山田の水分量の増した瞳でされる上目遣い。
どういうつもりで言っているんだ？
山田はさっきの俺の告白をどう受け止めた？
あんな下手くそな誤魔化しが通用したとでも言うのか。
それならそれで、、、
涼「……だめ？」
大「あぁ、……動きづらいからだなっ！」
友達だからこのくらい普通のこと。
今までも風呂くらい…………あったっけ。
全身が心臓になったのではと錯覚しそうなくらいうるさく聞こえる心拍音。
俯いている間にも一枚ずつ落ちていく衣服。
邪念を追い払おうとしているのに下心に逆らえずちらりと見てしまった山田の足には痣や無数の傷。
恋人の特権を行使するくせに山田を大切にして守ってくれるやつはいないのか？
どいつもこいつも………
涼「………だいちゃん……僕、汚い……？」
大「え……？汚くなんか」
涼「じゃあ、どうしてずっと目をぎゅーっと瞑ってるの？」
………聞くなよ。
今まで鈍感だったはずなのに。
大「………自信がないから………」
涼「自信なんていらない」
大「そうじゃないんだよ」
暴走して止められなくなる。
山田を他の男みたいに傷つけたくない。
涼「…………誘ったのは、僕だよ」
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ciaociao(プロフ) - 夢莉さん» ああ、、よかったです！安心して読めます、、 (2021年8月16日 19時) (
レス) id: bf965fb6b3 (このIDを非表示/違反報告)
夢莉(プロフ) - ciaociaoさん» 楽しみの一つにしていただけて光栄です。ありがとうございます…！私自身、ハッピーエンド主義なので…見守っていただけたら嬉しいです！ (2021年8月13日 20時) (レス) id: 7762ef5dd7 (このIDを非表示/違反報告)
ciaociao(プロフ) - 続きが楽しみで楽しみで、日々の楽しみが増えてうれしいのですが、「報われないarさんのお話」とあるのが大変気になります。わたしは基本ハッピーエンドが好みなので、是非arさんとハッピーエンドをお願いしたいです。まだ始まったばかりなのにすみません、、 (2021年8月12日 20時) (レス) id: bf965fb6b3 (このIDを非表示/違反報告)
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