40：○○○にコンバンハ ページ43
...
――結論から言おう。
爆豪と轟の会場にいた講習生は、全員合格。
イナサもケミィも、そしてAも。
全員、晴れてヒーローの雛。仮免許取得者に。
試験が終わる頃にはどっぷりと日が暮れ、真っ暗だ。
「合格記念に飯とかどうスか！？」なんてイナサがはしゃいでいたが、生憎の寮生活。
オールマイトという迎えもあるわけだし、丁重にお断り。
タクシーへ乗り、まっすぐに雄英の寮へ。
クラスメイトに合格を伝えつつ、無駄話を聞きつつ、のんびり寮で食事を取るはずだった。
――が。
「……やっぱ飯、行ってる場合じゃなかったな」
「口じゃなく手ェ動かせ、手！！」
爆豪と轟は氷の掃除をしている。
すっかり寒くなった今日この頃。
自然に溶けてくれなくなった氷の始末は、なかなかに骨が折れる。
二人が氷の掃除をする羽目になった理由。
――簡潔に言えばヴィランのせいだ。
派手に財布をひったくったヴィランを目撃した二人は、抵抗する彼らと交戦することになった。
仮免許もまさか、取得されてから30分で使われるなんて思ってもみなかっただろう。
まあ、それはともかくとして。
ヴィランと交戦した二人は捕縛に成功。
周囲にいた一般人も無事。ついでに財布も無事。
だが、街はそこまで無事じゃない。
轟の個性――氷結の氷で覆われた部分は、きっちり後片付けしなければならないだろう。
文句を垂れる爆豪を巻き込んで。
ついでに引率のオールマイトにも箒を持たせ。
3人仲良く寒空の下。ちょっと凍えつつお掃除なうだ。
「…遅くなっちまった。みんな心配してなきゃいいが」
「いいから手ェ動かせ、手！！」
せっかちな爆豪に急かされながら、轟はふうと息をつく。
柔らかな雪の降る街。
世間では雪にはしゃいだりしているのだろう。
休日だから、外食を楽しんだりしているかもしれない。
ふと、奥の雑居ビルに目をやる。
派手な看板を見るに、中に入っているのは飲食店か。
やや古く、路地裏に面しているせいもあって、そんなに流行ってはいなさそうだが。
「あちこち賑やかだな。……爆豪？」
爆豪の方を向けば、彼もまた同じ方を見ていた。
特に目立つ建物でもないのに、珍しい。
そもそも、どうして轟もあのビルに目を向けたのか。
無意識にしては偶然が過ぎるような――…
――そんなことをぼんやり考えた、その時。
ビルの扉が乱暴に開く。
そこから投げ棄てられたのは、黒いなにか。
――見覚えのある、ひとだった。
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るいるい＊*(プロフ) - ヨシさん» コメントありがとうございます！ 応援の言葉、とっても嬉しいです！ (2019年7月10日 18時) (
レス) id: d4f8fbb131 (このIDを非表示/違反報告)
るいるい＊*(プロフ) - 蛍狼 ＆ ローシさん» 応援ありがとうございます！ ずっと書きたかった話なのでそう言っていただけると嬉しいです！ これからもよろしくお願いしますv (2019年7月10日 18時) (レス) id: d4f8fbb131 (このIDを非表示/違反報告)
ヨシ - 夢主ちゃんがすごく不思議可愛いです！応援してます！ (2019年7月10日 18時) (レス) id: 83a9ab1185 (このIDを非表示/違反報告)
蛍狼 ＆ ローシ(プロフ) - 高校が士桀高校なのが個人的に凄く好みです！夢主ちゃんと天然くん達の絡みや、かっちゃんとのコントのような絡みもめっちゃ面白いです！後、地球人に爆笑しました！更新頑張ってください！応援してます！ (2019年7月10日 15時) (レス) id: cc961492f3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：るいるい＊* | 作成日時：2019年7月10日 6時
