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多数に無勢。絶体絶命。
この状況を変える鍵は、救援を呼ぶこと。
雄英の教師はみんなプロヒーローだ。
USJの外に出て救援を呼ぶことができれば、状況は覆る。
だが、敵だって馬鹿じゃない。
そのことを重々承知しているから、入り口前に黒霧を配置したのだろう。
……けれど、生徒を甘く見てはいけない。
彼らはヒーローの卵、自分のやるべきことも、すべきことも分かっている。
――救うために、個性を使ってください！
13号の言葉は、確かに、彼らの心に響いた。
「飯田、走れって！ 急げ！！」
だから、砂藤は吼えた。
委員長としてクラスメイトを置いていけないという、ジレンマをぶち壊す。
一瞬のためらい。
ぐっと歯を食い縛り、飯田は、走る。
そしてその飯田を逃がすまいとするのは黒霧。
黒い物質が彼を捕え、また、このUSJ内に散らそうとする。
「待つべくはオールマイトのみ。
教師たちをよばれたら、こちらも大変ですので――…！」
――また、ワープさせられる。
一瞬、脚を止めかける飯田だが、転がるように現れたのは障子。
「……っぐ！ 行け――早く！」
ワープゲートになる霧を抱きかかえ、個性を妨害。
「ちょこざいな――外には出させない！
生意気だぞ、眼鏡……消えろ！」」
だが、霧は無数に広がる。
どうしたって飯田を外に出させず、教師らを呼ばせないつもりだ。
――絶対に、そうはさせない。
お茶子には閃いたことがある。実行できる力がある。
大地を蹴り、黒霧を掴む。
掴める部分。実体のある、部分。
「理屈は知らんけどこんなん着とるなら……
実体あるってことじゃないかなぁ！」
――浮け、浮け、浮け！！
お茶子は黒霧を宙に飛ばす。
もう、飯田に近づけたりしない。
「だが……っ！」
「させねぇ！」
諦めの悪い黒霧がまだ届くとばかりに霧を伸ばすが、それを止めたのは瀬呂。
お茶子の見つけた実体部へとテープ伸ばし、接着し……後ろへ引く。
そしてそれを補助するのは砂藤。
掴んだ瀬呂のテープを持ち前の個性で振り回し、黒霧を遠ざけた。
その隙に、飯田は走る、走る、走る――…
自動ドアをこじ開け、みるみる遠くなっていく。
「応援を呼ばれる――… ゲームオーバーだ」
こうしてお茶子らは、黒霧を破った。
ヴィランの策略を潰し、怪我人を救護できる筈だったのだ。
後は救援を待ち、オールマイトを待ってーー…
「――そっかぁ。ちょっと、遅かったかな」
その声が、聞こえるまでは。
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るいるい＊*(プロフ) - カイさん» コメントありがとうございます！ 嬉しいですvV (2019年5月29日 21時) (
レス) id: ffc7d791fa (このIDを非表示/違反報告)
カイ - お茶子も主人公も両方可愛い！ (2019年5月29日 20時) (レス) id: 2843dfb22b (このIDを非表示/違反報告)
るいるい＊*(プロフ) - 猫好きさん» 健全な占ツクでその話題はいけない…(戒め) (2019年5月24日 8時) (レス) id: d4f8fbb131 (このIDを非表示/違反報告)
猫好き - 野獣せんぱ……すみません (2019年5月24日 0時) (レス) id: fdca804d9b (このIDを非表示/違反報告)
るいるい＊*(プロフ) - 祟璃さん» うわぁあ人名のミスとかいちばんやっちゃいけない誤字！ ありがとうございます！本当に助かります！ 修正致しました！ (2019年5月20日 10時) (レス) id: d4f8fbb131 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：るいるい＊* | 作成日時：2019年5月12日 14時
