好きって言わない_4 ［yuta_t］

Chapter177 空虚感 ページ35

部屋に戻って








私何をしちゃったんだろう？







去年の今頃は楽しく笑っていたのに

急に会えなくなっても
会いたいって言ったわけじゃないのに

他の女の子の話をされても
普通に返したのに

泣かなかったのに

好きって言ったわけじゃないのに





　

　






好きって言わなければ
ずっと一緒にいれると思ったのに









もうそれさえも許されないのか









『嫌だって言ってるんだよ』


『迷惑なんだよ』









・・・私か








・・・・私の事か







-------------


６月







裕太と出会ってから
こんなに辛い１ヶ月は始めてだった









食事をしても美味しくなくて
寝ても寝た気がしなくて
仕事だけはかろうじてこなして









でも、どこか上の空で









休みの日でも仕事帰りでも
なるべく予定を入れて
毎日誰かといるのに
寂しくて寂しくて仕方なかった







笑ってるのに
悲しくて悲しくて仕方なかった









そんな生活を
１ヶ月以上続けたある日









コウヘイ君と仕事帰りに
飲みに行って








２人で歩く帰り道








少し酔っ払った私の手を掴まれ









A「あれ？何か手繋いでる(笑)」









コウヘイ「転んだら危ないから(笑)」









A「そっか(笑)」









カンカンカンカン









踏切の音に止まる足









少しして凄い音を立て
目の前を急行電車が通過していく









でも私の目の前にはコウヘイ君の顔
そして唇にあたる感触









電車が通過して
踏切のバーがあがり
唇が離れた









コウヘイ「俺の家、来ない？」







さすがにその言葉の意味が
どういう事なのかくらいはわかる









ノコノコ男の家に・・・

信用しすぎ・・・







・・・・。







コウヘイ「Aちゃん？」








一回だけ頭を縦に振った









コウヘイ君の部屋につく頃には
お酒が急に抜けた感じがして
言葉数も少なくなっていた








コウヘイ「どうぞ」









A「おじゃましまーす」









シンプルで想像通りの部屋









仕事用の机なのか
きちんと整頓された上に
置かれた雑貨も







ラグも


カーテンの色も


ベッドカバーも


センスよくて









A「あー何か想像通りの部屋！」








コウヘイ「そう(笑)？」









A「読んでる本もかぶって・・・」









後ろから抱きしめられた

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