Chapter233 ページ31
ドアを開けると
目の前には
真っ暗な廊下に置かれた
スーパーの袋
この部屋だけは昨日から
時が止まっていたようだ
ブレーカーを上げると
一気に視界が広がって
導かれるように
リビングへと続く階段を
ゆっくりとのぼり始める
こんな状態なのに
どうか夢であって欲しいなんて
都合のいい神頼み
もちろんそんな思いはすぐに消され
空っぽのリビングの壁や床に
光がいつも以上に届いて
眩しすぎて思わず後ずさりしそうにさえなった
次に向かったのは寝室
ドアを開けて電気をつけると
今までの部屋とは明らかに違う
部屋の真ん中には
よく見覚えのある観葉植物
近づいて
控えめな鉢植えの上に
置かれた小さな袋
恐る恐る手に取って袋を開けると
中には
私の部屋の鍵
思わず溢れた涙は
きっと最後の最後まで
期待をしていた自分がいた証拠
この鍵は言葉の代わりに
置いていった裕太からの
『さよなら』
ねぇ裕太
本当に、、、
もう、会えないの?
裕太の未来に私はいなかったの?
私達、何でやり直したの?
教えてよ・・・
こんな残酷な別れをする為に
もう一度私に好きだと言ったの?
私を一人にしないでよ
裕太がいないと
私・・・
静まり返った部屋で
涙と一緒に溢れる思い
メッセージを送るわけでもなく
電話をするわけでもなく
この抜け殻のような部屋で
吐き出すことしか出来ないのは
もう終わり
そうどこかで
思いはじめてたからかもしれない
袋を強く握っていた手の
力を弱めると真っ赤になった右手を見て
始めて痛みを感じた
床に落とすように
袋から取り出した鍵
カチャンと音を立てた鍵に
取り付けられたリングに
・・・指輪?
運命の指輪
ねぇ裕太、、、
今何を考えてるの?
もうこの指輪は必要ないってこと?
それとも・・・
いつかこの指輪を取りに来るの?
わからないよ
・・・・わからないよ
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あこ(プロフ) - 恋してた7はやく読みたいです…楽しみに待ってますね! (2022年12月29日 23時) (レス) id: 6c9914bca6 (このIDを非表示/違反報告)
Moon - 恋してた7も気になりますね。早く読みたいです (2022年10月16日 7時) (レス) @page45 id: 9eb0a598a8 (このIDを非表示/違反報告)
Moon - 更新楽しみにしてますね、なるべく早く読めることを楽しみにしてますね (2022年10月10日 9時) (レス) id: 9eb0a598a8 (このIDを非表示/違反報告)
らな(プロフ) - 更新有り難うございます。めちゃくちゃ楽しみにしています。 (2016年1月11日 21時) (レス) id: 1669d566b3 (このIDを非表示/違反報告)
ゆりか(プロフ) - nicoさん» そうなんですね!わかりました!ありがとうございます。更新楽しみに待ってます(^^) (2016年1月11日 0時) (レス) id: 386ed09d7f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:nico | 作成日時:2015年12月7日 10時