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Chapter12【ki】 ページ12

勢いよく降りた階段









靴を履き替え









待ち合わせ場所の校門も
止まることなく通り過ぎて









しばらくは止まらずに走った









徐々に緩めた足









走るのをやめたはずなのに









どんどん胸が苦しくなった









目に入ったガードレールに
よしかかるように身体を預け
色々落ち着くのを待った









prrrr









prrrr









prrrr









手に握りしめたままだったスマホ

画面に表示された名前を見て通話にした









 
 
 
『おつかれさまですー

お休みの日にごめんね

実は今日17時からの大野さんが

急遽お休みになっちゃって

変わりに入れる人探してるんだけど

Aちゃんどうかな?』









A「・・・。」









『あれ?Aちゃん?』









A「・・・大丈夫です

・・・入れます」









『本当?ありがとうー』





























そのままバイト先に向かい
昨日と同じように
スマホの振動には気づきつつも
内容は確認せず
スマホをロッカーにしまい
仕事に集中









・・・するつもりだったのに









こんな日のせいか
やたらとカップルが多い気がする









色んな感情と戦うこと約4時間









急遽入ってくれたお礼にと
あと数時間後には
“売り切れ商品”になってしまう
チョコレートをもらってお店を出た









トボトボ歩きながら
久しぶりに確認したスマホには
着信履歴にも
LINEのアイコンの横にも
たくさんの通知数がついていた









・・・。









もちろん電話をかけ直す勇気も
メッセージを読む勇気も
今の私にはなく
制服のポケットにスマホをしまうと





 
 
 
 
 
 







「何で連絡して来ねーの?」









背後から聞こえた声に
振り向くと
そこには制服姿のミツがいた









すぐに背を向けて









A「・・・大野さんが

急に休むことになって

・・・だから」









スタスタと進み始めた足









宏光「じゃー何で

それを連絡して来ないの?」









A「・・・急いでて」









宏光「っつーか

ちょっと止まれよっ」









大きな声に驚き
足は思わず止まった









でも振り返る事は出来ず









宏光「今日は一緒に過ごすって

約束してなかったっけ?」

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★mmiioo★(プロフ) - 短編!まさか翌日公開とは思わず朝からにやけた(*´∀`)♪高校生、なんかイイ! (2021年5月6日 7時) (レス) id: 9bdd0af86e (このIDを非表示/違反報告)
ななこ(プロフ) - 最後の北山くんsideがなんとも言えずキュンとなりました!nicoさんの話大好きなのでこういう短編も読めて嬉しいです! (2021年5月5日 22時) (レス) id: 5b7031692d (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:nico | 作成日時:2021年5月5日 22時

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