無口な彼女_9 [hiromitsu.k]

Chapter391 ページ10

宏光「もちろんいいよ

でもちゃんと暖かくしておいで」









頷いて









A「コート取ってきますっ！」








急ぎ目にクローゼットに向かって
コートを着て玄関先に置いてあった
ダンボールを持って
バルコニーへ向かった









とりあえずダンボールは
その場に置いて
ガラス戸を開け外に出ると
暖房とお鍋と宏光くんで
暖まった体がシャキッとして
今の私にはそれがちょうどいい









私に気づいた宏光くんは
顔だけ振り返って
優しく微笑んだ









同じように
微笑み返すと
宏光くんはまた前を向いたから
足を進めて宏光くんの横に立った









すでに灰皿に落とされてた
タバコを見て









A「ごめんなさい

急がせちゃいましたね」









宏光「ん？あ、大丈夫だよ

ちゃんと吸った吸った」









A「私は気にしないので

ゆっくりどうぞ

・・・というか」









宏光「ん？」









A「もしよければ

宏光くんのタバコを吸う姿

見せてもらってもいいですか？」









宏光「えっ？何それ(笑)」









A「ごめんなさいっ

変なお願いですよね(笑)」









宏光「ん(笑)

そんなリクエスト

もらったことない」









A「で、ですよね

タバコを吸う宏光くんって

どんな感じなのかなって

ちょっと考えちゃって」









A「本当ごめんなさい

・・・忘れて下さい」









宏光「いや、見せるのは

全然いいんだけど

特に何もないし

いたって普通だよ？」









宏光「それでもいーの？」









A「むしろ

普通がいいんです」









宏光「そっか(笑)

・・・わかった」









宏光「・・・じゃ、ヒロミツ

タバコ吸いまーす(笑)」









A「ふふっ(笑)

お願いします」









箱からタバコを取り出して
口にくわえて

風を避けるように
手を添えて火をつけるしぐさも

空に向かって
煙を吐き出す横顔も

それだけで何かカッコよくて
思わず見惚れてると

急に目があって









宏光「これでいい(笑)？」








頷いて返すと









宏光「よかった(笑)」









・・・。









A「タバコも・・・

うまってなるんですか？」

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