オレンジ色の空に恋して

オレンジ色の空に恋して24 ページ24

【yuta side】







A「・・・。」









確認するように
ゆっくりと顔を近づけ
そっと触れた唇








・







・








A「いいって言ってないのに」









そんなAが
たまらなくいじらしくて愛しくて









もう一度キスをして









裕太「声、出さないの？」









って聞いたら









今度はAが俺の口を塞いで









そこからは無我夢中で
お互いを求めあった









・









・









大好きな人に
好きだと言えないことが
こんなにも辛いのかと
思い知った夜は









大好きな人と
繋がることが
こんなにも幸せな事なのかと
心の底から感じる夜だった


　
　
　
　
　
　




その後は隙間が出来ないように
体を密着させて
１秒でも離したくなくて
ギュッと握ったAの手









A「痛いよ」









裕太「痛くしてんの

俺の事、忘れないように」









A「何それ(笑)」









A「でも・・・

こんな事、昔もした気がする」









今度は握ったその手に
キスをした








A「今度は何？」









裕太「・・・俺から

離れられないようにしてんの」









フッってAが
小さく笑って









重たくなった
瞼を閉じないように必死で









おやすみって言ったら
全てが消えてしまいそうで









でも・・・









寝たくないのに









・







・









・









一瞬だけ
目を閉じた感覚だった









でも軽くなっていた腕









感じない温もり









目を開けなくても









もう隣に
Aがいない事はわかった









現実を受け入れるのが怖くて
ゆっくりと開けた目









ベッドサイドに
置かれた時計は
６時をさしていた









重たい気分で向かったリビング









ダイニングテーブルの上に置かれた
１枚のメモと鍵








うーたへ

おはよう

仕事に行ってきます

気をつけて帰ってね

会いに来てくれてありがとう

A








淡々とした
メッセージの下には
見覚えのあるような
スマイルマークが
"鍵はポストにね"と笑ってた








「６時にいないって

一体なんの仕事だよ・・・」









そのスマイルマークに呟いて









スマホでそのメモを撮って
ニューヨーク最後の写真を
カメラロールに残した









不思議と寂しくはなかった









また会える気がしたから









寂しくなかった

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