オレンジ色の空に恋して

オレンジ色の空に恋して18 ページ18

【yuta side】








裕太「んー？」









A「何か楽しいね

・・・大人になっても

こんなに楽しく笑えるんだね」









裕太「・・・だね」









・







・









A「はい、じゃー休憩終わり！」









裕太「は？もう？」









A「帰って

シャワー浴びて

朝ごはん食べて出かけなきゃ！」









裕太「・・・。」









A「ほら、早く！

立って！ＧＯ！」









来た道を指差すAに









裕太「人を犬みたいに扱うな」









それからAの計画通り
とはいかず

話しては準備が止まってを
繰り返してなんとか
昼過ぎに出発









Aが俺を連れて行ったのは
有名な観光スポットでもなく
オシャレなショップやカフェでもなく
海沿いにある水族館だった









裕太「何で水族館なの？」









A「この辺には

何回も来てるんだけど

水族館は行ったことなくて

ずーっと来てみたかったんだ

いいでしょ？」









って少し甘えた視線が
自然と俺を頷かせる









中に入って純粋に
水族館を楽しむAの横で

確認した時計の進みの速さに
別れの時までのカウントダウンが
始まってることに少し焦り始め









気が気じゃないまま
過ごしてると
Aに話しかけてきた
外国人カップル









会話の全てがわからなくても
写真撮影を頼まれてるのはわかった









近くの水槽見ながら待ってると
撮り終わったはずのカップルと
会話を続けてる









近づいて









裕太「どうしたの？」








A「あー・・・

なんか私達の事も

変わりに撮ってあげるって言ってて」









裕太「そなの？

いいじゃん、せっかくだしお願いしよ」









A「え？」









驚くAは無視して
自分のスマホを渡した









撮影スポットなのか
よくわかんない場所で
久しぶりに２人で撮った写真









A「よく撮ったね」









裕太「何で？」









A「いや、何となく」









裕太「せっかく

ニューヨークに来たのに

１枚も写真撮ってないなって思って」









A「・・・そっか

じゃー私が撮ってあげるよ

ほら、そこ立って」









裕太「俺はいーの」









差し出された手を押しのけるように
歩きだすと









A「え？何それ？

あ、ちょっと待ってよー」









久しぶりの２人の写真が嬉しかった

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