オレンジ色の空に恋して

オレンジ色の空に恋して15 ページ15

【yuta side】





A「でもそうこうしてるうちに

決断をしなきゃいけない日が迫ってきて

だからね、サインしたの」









裕太「サイン？」









A「うん・・・

簡単に言えば

もう会いません

関わりませんっていう誓約書にね

あと一応、婚約してたから

婚約破棄の慰謝料を

受け取りましたっていう書類にも」









裕太「・・・。」









A「あ、もちろんそんなお金は

受け取ってないよ

ただサインする条件として

私がお金を受け取ったって事にしてほしい

って私からお願いしたの」









裕太「・・・それはその人は

そのことを知らずに

Aがお金受け取ったと思って

別の人と結婚したって事？」









A「そう・・・」









A「だとしたら・・・

私はここにいなかったかもしれない」









A「少しして・・・

まだニューヨーク行きを

決断できてない頃に

知らない番号から電話が来たんだ」









A「相手は彼の弁護士を

名乗る人で、その人の電話を通して

最後に彼と話したんだよね」









A「話したっていうよりも

相手は泣きながら謝るだけだったけど

最後にありがとうって言われて」









A「それっきりなんだ

その人とは・・・

なんかね、おかしな話だけど

その言葉聞いて、行こう！って

決断できたの」









裕太「・・・そっか」









A「でもさー

まさか、婚姻届けじゃなくて

もう会わないなんて誓約書に

サインするなんて思ってもみなかった(笑)」









A「ね？だから

傷つけられて自暴自棄になって

ニューヨークに逃げてきた

なんて感じじゃないんだ

私はちゃんと私の意思でここに来たの」








・






・







A「・・・あーあ」









裕太「ん？」









A「結局話しちゃったなぁって

誰にも言ってこなかったのに」









A「昔からそうなんだよねー

うーたは何も言わないから

つい私が話しすぎちゃうんだよ(笑)」









裕太「いや、

話してくれてありがとう」









A「その変わり

今話した事は

明日には忘れてね」









裕太「・・・わかった」









A「間違っても

ママになんて話さないでよ？」









裕太「誰にも言わない」









A「ん・・・

聞いてくれてありがとう」

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