オレンジ色の空に恋して

オレンジ色の空に恋して11 ページ11

【yuta side】









A「そういえば

宮田くんは？元気？」









裕太「ん、変わらず元気だよ」









A「そっか

久しぶりに会いたいなー」









裕太「帰ってきたら

いくらでも会えるよ」









A「それを言うなら

今度は２人でニューヨーク来てよ

私が案内するから

男２人旅もいいじゃん！」








それからも







最近の日本の事

最近のニューヨークの事

離れて過ごしていた時間の話








そんな他愛もない話だけが続いた









けれど









"今１人でニューヨークにいる理由"









その話だけはすっぽりと消えていた









結局そこに触れることの
出来ないまま食べ終わって
店を出て









A「ふー生き返ったー」









裕太「ん、本当にうまかった

頑張ればもう１ついけたな」









A「私も

いっつもそう思ってる(笑)

よかったーでも気に入ってくれて」









進み始めた足が止まって








A「あれ？・・・この後は？」









裕太「特に何もない」









A「何も？

せっかくニューヨークに来たのに？」









裕太「うん、せっかくだし

Aに案内してもらおうと思って」









A「え？

それ本気で言ってるの？」









裕太「久しぶりに

スタイリングしてもらうのもありかな」









A「・・・。」









裕太「あ、もしかして

なんか予定入れてた？」









A「・・・ううん」









A「それならー・・・

せっかくだし日本じゃ

手に入らないのがいいね！」









２人で歩くニューヨークの街









絶対に１人じゃ
スルーしそうな店でも
Aとなら安心で








真剣に俺の服を選ぶ姿も
わざと奇抜なアイテム身につけて
無邪気に笑う顔も
気心しれた関係だからこそ言える
俺からのダメ出しに拗ねる顔も









全部昔のAと重なって
懐かしかった









いくら大丈夫とは
言ってもなるべく
人目を避けて動いてくれてたんだな
って気づいたのは









話しながら次の店まで歩いてると









A「うーたごめん

こっちだった」







急な進路変更を不思議に思って
進んでいた道を見ると

少し離れた所から
こっちに向かって歩いてくる
日本人らしき観光客

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