Chapter333 不確か ページ1
席を立って
向かったのはキッチン
シンクの上には仕度途中に
なってた料理や食器達
今日中に出番があるのかないのかは
わからないけれど
それが「すぐ」ではない事は
わかりきったこと
とりあえず食材だけ冷蔵庫へ戻し
まだ終わりそうにない会話に
行き場に困った足
・・・どうしよう
リビングにいても
気を使わせてしまいそうだし
寝室に行くのもおかしいし
残る選択肢は・・・
・
・
・
書斎のみ
でも部屋に入って
また足は止まった
いつもなら何も考えずに
座りなれた椅子に腰を下ろして
パソコンを開き
淡々と過ぎていく時間
ただ止まった足も
結局は考えても何か別の目的が
見つかるわけでもなく
いつもと同じように
腰を下ろしデスクライトをつけた
目の前には長年連れ添った
相棒のパソコン
・・・。
宏光くんに出会うまでは
これが当たり前の光景で
この空間が生活で
この時間が日常で
静まり返る部屋に響くのは
キーボードを弾く音だけで
そんな毎日だった
でもその毎日も不思議なことに
随分と前のことのようにも感じる
そんな事考えながら
もう一度隣の部屋から聞こえる
宏光くんの声を確認してから
デスクの上の封筒に手を伸ばした
中から取りだしたのは先輩が置いていった
メールをプリントしたファンレター
束になったそれをパラパラと捲って
わかりきったことを確認していく
内容は読む気にはなれなかった
ただ確認したかった
そこに溢れかえった
"磯谷リカ"の名を
確認したかった
もう何年も"磯谷リカ"として
過ごしてきたはずなのに
すっかり慣れたと思ってたのに
今の私には違和感しかない名前
ファンレターなんて
不確かでしかないもので
綴られたたくさんの言葉
今までは有り難く受け入れてた
言葉も今の私には
これは磯谷リカに宛てられたもので
本当の私には関係ない事・・・なんて
卑屈で面倒くさい自分を
さらに引き立たせるだけだった
・・・。
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nico(プロフ) - 返信が遅くなってしまい本当にごめんなさい！まだ読んでくれてるといいのですが、、、。新しい章に移りさらに主人公は葛藤していきます。マイペースでの更新ですが最後まで読んでくれると嬉しいです。 (2020年11月7日 23時) (
レス) id: 86c3460ec6 (このIDを非表示/違反報告)
ぴの(プロフ) - 検索でみつけて、一気読みしました。夕方、読み終えて…覗いたら追加されてて、嬉しかったです。主人公は葛藤してますね…(;_;)でも、宏光君の力でまた、書けるようになると信じてます (2020年8月8日 22時) (レス) id: a8ffbe2352 (このIDを非表示/違反報告)
nico(プロフ) - nike32さん» コメントありがとうございます！恋してたは現在修正中の為終わり次第パスを外しますので少々お待ちください♪ (2020年8月1日 20時) (レス) id: 86c3460ec6 (このIDを非表示/違反報告)
nike32(プロフ) - 恋してたのパスワード教えていただきたいです＾＾ (2020年7月30日 10時) (レス) id: c0ced2ccb6 (このIDを非表示/違反報告)
nico(プロフ) - ★mmiioo★さん» わお！長編なのにそれはそれはありがたいです！私も書いてる途中で遡りつつ読んでますが飛ばし読みに近いです笑酒豪っぷりもわかってくれたようで笑肝臓の数値は三人とも優秀という補足を入れておきます笑 (2020年7月23日 14時) (レス) id: 86c3460ec6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：nico
| 作成日時：2018年11月18日 21時
