プリンセスな彼女[takashi.n]

Chapter30 ページ31

追いついた私に
振り返って









高嗣「もう十分だよな？」









A「えっ？」









高嗣「コンパクトの代償・・・」









A「・・・それは」



　
　
　
　
　





A「・・・まだ」









高嗣「あ？

お前、いい加減にしろよ？

調子にのりすぎだろ・・・」









A「じ、自分で

聞いてきたくせにっ！

・・・まだたりないもん

だから・・・」
　
　
　
　
　
　

　
　
　
　
　
　
　
　
　
　
　







A「だから・・・

私と付き合って下さいっ」









言い切って
すぐに深々と下げた頭








・









・









・









・・・あれ？









・・・私、今何て言った？






.








・









・









ちゃんと思い出して
勢いよくバッとあげた顔









タカシちゃんも
あきらかに固まっていた









A「あああああああ
あのねっ・・・今のは勢いっていうか
何ていうのかな？
咄嗟の一言的な感じ？
間違いっていうか
・・・いや間違いではないんだけど
でもでもそのすぐにどうこうっっていうか
今すぐ答え出せって事じゃなくて
タカシちゃんも考えて
えーっと・・・そのー・・・
とにかくっそういうことなので
お返事待ってまーす
ではでは本日は遅くまで
お疲れ様でしたー・・・解散っ！」









一瞬だけ固まったままの
タカシちゃんの顔が
チラッと見えて
その場から走って









走って









角を曲がって









停止









嘘嘘嘘嘘嘘嘘









ＵＳＯーーーーーーーーー！









シンデレラ城は？
(神社の薄気味悪い階段の下)









うっとりするような景色は？
(夜風に揺れる柳の木)









白馬は？
(通りがかりの黒猫１匹)









ホラーじゃんっ！









お、お、落ち着けーA




　
　
　
　


　
　
　
結局その後は落ち着けるわけもなく
抱えるように頭に両手を乗っけ
放心状態で一点を見つめたまま歩いてる姿を
八百屋のタクに見られていて
兄経由で生存確認の電話が入っていた









ご飯も食べずに
部屋に篭ったこともあって









遠慮がちに部屋に入って来たママ
手をぎゅっと握りしめ
涙目で『何でも話してごらん』
って聞くママの姿を見て
やっと我に返った

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