プリンセスな彼女[takashi.n]

chapter20 ページ21

A「・・・ごめん」









相変わらずのやりとりをしてる
目の前のカップルを見て
言われたとおり話しかけるのを止め
自分の携帯を開いた









全然見たくもない
撮った写真とか
適当に見てると









パタンと携帯を
閉じる音が聞こえて









高嗣「行かねーから

こんなとこ来てんじゃん」









・・・。









A「そうだよね」









それからはどこかの
カップルみたいに
殆ど私が話して









話の内容も
この前行ったディズニーの話とか
入ったはいいけど
廃部寸前のやる気のない
チアリーディング部の話とか
高校の校長がヨーダに似てる話とか









タカシちゃんにとっては
全然つまんない話ばっか
だったかもしれないけど









ぶっきらぼうな言葉で
つっこまれながらも
時々呆れたように笑う
タカシちゃんを見て









言葉の節々全部に
"好き"って足したいくらいで









今、この時間だけは
まわりの音も
まわりの人達も
何にも入って来なくて









私とタカシちゃんと
好きって気持ちだけだった









久しぶりに感じてる
このトキメキは
確実に私を焦らせてもいて









高校に入ってから
あっという間に１年経って
何も進展がなかったこの関係を
どうしても進めたくなった









気を使ってかすぐに戻らずに
受け取ったたこ焼き持って
アオイと一緒に列に並ぶミツキとか









昨日お風呂上がりに食べた
ピノにハートが入っていた事とか









そういうの全部ひっくるめて
チャンスは今しかないって思った









だから・・・

"次回"を作らなきゃ！




　
　
　

・









・
　
　
　
　





A「タカシちゃん！」









すぐ隣でビクッとする体









高嗣「声でけーよっ」









つい気合が声量に・・・









A「・・・ごめん」









小さく息を吸ってー吐いてー









A「あの・・・

あのさ・・・時々は

メールしてもいい？」









高嗣「あ？」









A「だからメール・・・」









高嗣「いや聞こえてるわ

じゃなくていきなり何？

あらたまって気持ち悪りぃな」









A「いや・・・

用事もないのに

メールしたら怒るかなーって」








・・・。

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