プリンセスな彼女[takashi.n]

プロローグ ページ1

幼い頃


　
　
　
　







思い描いた夢は




　
　
　




"プリンセス"






　
　
　

そして同じように憧れを抱いた






　
　
　




"プリンセスの住む世界"









その世界では









何か特別なことはなくても









見上げた空は









雲ひとつない青空で









夜には満点の星空が広がり









そんな空の下で









朝から友達の小鳥さんや
森の動物や虫達とお話したり
一緒に歌を歌いながら









お掃除だってお料理だって
本を読むことだって
それはそれは楽しい日々









ただ・・・









夢の世界でも悲しみや困難が
必ずと言っていいほど訪れる









その時ばかりは









空から太陽は消え
森の木や花は枯れ果てて
季節は夏から冬へと一気に変わる









そこで地面と一体化
してしまいそうな程に
泣いて泣いて泣き崩れ









流す涙は止まることを知らず
溢れかえった涙はやがて氷となり
外の世界をすべて飲み込むように凍りつく









そんな世界を目の当たりにして
立ち尽くすことしか出来ない人々









誰しもが









もうお終いだ・・・






　
　
　
　


　


そう絶望した時









そこに必ず現れる









素敵な王子様の存在









王子様は窮地に立たされた
プリンセスを見事に救い









２人は永遠の愛を誓い合い









めでたしめでたし









そんな愛の溢れる世界









いや・・・夢物語









そう気づかされたのは
まだまだ夢見る夢子だった
１７歳の夏









場所はもちろん現実の世界で









私の王子様は









私のことを









死んでも好きにならないと言った









好きじゃなくても
付き合えると言ったら









私と付き合うくらいなら
俺は一生誰とも
付き合わないほうがマシだ






　
　
　
　
　




みんなの前でそう言い切ったんだ

chapter01→

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す