プリンセスな彼女[takashi.n]

chapter23 ページ24

タカシちゃんに
メールを送ったのは
その日の夜









『送ります宣言』をした途端
何かの呪縛から解放されたせいか









ちょっと時間を置くなんて
駆け引きはもう出来なかった









内容は挨拶だったり
自分の周りで起きた事だったり
タカシちゃんの言う通り
確かにくだらないことだった









それでもタカシちゃんから
毎回じゃなくても届く返信
返事はやっぱりほとんどが
素っ気ないものだったけど









全部が大切で
届いたメールを
全部保護してたくらいで









タカシちゃん専用のフォルダに
メールがたまっていくメールの数が
２人の距離を近づける
バロメータに感じて









１０通たまったら
２０通たまったら
３０通たまったら・・・









ハートの絵文字を使ってみるとか
具体的な予定を聞いてみるとか
好きなところを遠回しに伝えるとか









そんな事をしながら
タカシちゃんからのお誘いを
待ったけれど一向に来ることはなかった









あっと言う間に季節は夏に変わり









珍しく部活が延びて
いつもより遅くなった帰り道









地元の駅で見かけた王子様









この偶然の出会いを
待つこと１年と少し









予定では中学を卒業して
１ヶ月後には会う予定だった









頭の中で繰り返してた
偶然出会いのシミュレーション









その努力がついに報われる日









台本を頭の中で思い出しながら
タカシちゃんの後を
少し距離を取って歩く









話しかけるのはあの角を
曲がってから・・・









・・・。









「あれー？Aじゃん」









台本にないセリフが聞こえてきて
振り返るとそこには
アオイとマイケル









・・・まずい









A「・・・お、おう！」









マイケル「おうって何だよ(笑)」









A「おうはおうだよ

久しぶりって意味の」









マイケル「そんなのわかってるわ」









アオイ「そんなキャラ

じゃないじゃんって言ってんの」









A「そんなこと・・・」









言いかけ振り返って
タカシちゃんの後ろ姿を確認









・・・あぁ









見ーえーなーいー









A「ごめん！

私、今ものすごい急いでて

じゃー急がば回れって事でー！」









アオイ「意味逆だし(笑)」









マイケル「相変わらずだなおいー」

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