無口な彼女 [hiromitsu.k]

Chapter06 嬉しいおせっかい ページ7

そんなマスオがある日
連れて来たのが先輩だった









マスオ「先生の本名を見た野原が気づいて

出身校も同じだって言うもんで(笑)」









う、嘘でしょーーーーー！









な、な、なんて事をーーーーー！









私があんな小説を書いてるなんて
先輩だけには知られたくなかったのに









大パニックの私に









アラタ「Aちゃん！久しぶり！

すごいよ！まさかAちゃんが

あの磯谷リカ先生だったなんて！」









相変わらず爽やか男子代表
みたいな笑顔を私に見せながら
しかも少し興奮気味に









アラタ「こんなに凄い才能の持ち主

と知り合いだったなんて！

俺、Aちゃんの作品大好きなんだ」









「知り合い」のくくりに入った事








そして・・・








Aちゃん







大好きなんだ








勝手に脳内変換され回路停止。







まー先輩は・・・






私の本を出している会社へ就職し
マスオの後輩だったというオチ








でも久しぶりの先輩との再会を
素直に喜べない理由がもう一つ。









私のペンネーム








『磯谷リカ』








マスオに名前どうしますー？と言われ
決めたペンネーム









理由は単純だった








江戸川コナン方式で安易に考えた名前









磯谷は好きな女性アーティストの本名
リカは先輩の高校時代の彼女の名前だった








それはそれは美人で・・・・
まぁ先輩の彼女になれるような人だ
説明はあまり必要ないだろう









気づいてはないと思うけれど
なんとなく自分が恥ずかしくて









でも３度目の奇跡の再会は
私と先輩の関係性に
変化をもたらした









再会した日に先輩から連絡先を聞かれ









咄嗟のことに戸惑いはしたものの








嫌ではなかった









むしろ嬉しかった









そして







私の携帯電話に父親とマスオ以外の
初めての登録された『男の人』








それだけで短編小説を
二、三本一気に書き上げられるほど
テンションが上がった








これは大学を卒業して１年と
少し経った頃の話。

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