無口な彼女 [hiromitsu.k]

Chapter42 私じゃない ページ43

それから数日







北山さんからの返信はなかった。







マルに話した事を怒った？








・・・それならそれで仕方ないか








なんて思っていた夜








小説を書いていると









ピンポーン








誰？








リビングのモニターを見に行くと









まさかの北山さん









動く北山宏光！









バルコニーで見た腕

玄関先で見た後ろ姿









その前は・・・









最後に会ったのは指輪を失くした
って言われた日の夜！！









もしかして個人情報漏洩とかで抗議？
どことなく怒ってるようにさえ見えてくる









ピンポーン









息を呑んアイドルからの
呼びかけに応答









A「・・・・はい」









北山「こんばんはー北山でーす」









知ってる・・・
モニターに映ってるから
とりあえず明るい声に少しホッとした








玄関のドアを開けると









ちょっとすぐに目が合い
そのまま目を見開く北山さん








すぐに目をそらす







勢いよく開けすぎた？








北山「あっ！

ごめんね！いきなり！

ちょっとバタバタして返事も

出来てなくてごめんね！

これもしよかったらって思って」







渡される紙袋









・・・・またプレゼント？









北山「ちょっとロケ行った時に

買ったんだけど

ビールにすっげー合うから食べてみてよ」









A「・・・・ありがとうございます」








これはおすそ分けっていうやつですね









北山「今日はもう寝ちゃう？」








A「え？」








北山「よかったらさ

これからちょっとだけ飲まない？

この前みたく(笑)」







・・・・どうしよう


なんて返事をしよう







北山「・・・・・無理？」









A「・・・・大丈夫です」









北山「おっー本当？

よかったー

今、ぜってー断られるかと思った(笑)」







北山「じゃー着替えてバルコニー行くね」








頷く








ドアを閉め









・・・・私何やってるんだろう？







おかしい







さっき頷いたのは私じゃない







・・・とりあえず







行かなきゃ








ビールと北山さんからもらった
おつまみを持って外に出る








・・・・まだいないよね？







軽く咳払い









・・・シーン








よし。







少しして聞こえてきた







北山「Aちゃんいる？」








A「・・・・はい」

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