無口な彼女 [hiromitsu.k]

Chapter04 神との接触 ページ5

そんな神と
私の間に起きた偶然。







高校でも極力存在感を消し
過ごしていた影の私が
太陽のような先輩の視界に
入ったのは高１の冬







学校帰りに寄った駅前の書店
欲しい本がありすぎて厳選してるうちに
遅くなってしまった時間。








厳選した本を買ってお店から出ると
後ろからすごい勢いで
私にぶつかりながら通り過ぎた
男Ａ(２０代？)






その人は私だけではなく
お店の前に止めてあった
自転車にぶつかった









ガシャーン
ガシャーン・・・ガシャーン







勢い良くぶつかったせいで
倒れていく自転車達







あ。






男の足は一瞬止まり
なぜか振り返って私を睨む






まるで






お前がやったんだよな？






とでも言いたそうな因縁をつける目







固まる私を置いてその男は消えた






倒れた音を聞いた人達が
私に注ぐ視線






もちろん最初から見てた人も
いたかもしれないけど







あきらかに私が倒したように
見える光景だった







注がれた視線が怖くて







すぐに自転車に手をかけ
自転車を持ち上げようとすると








そして後ろから伸びてきた神の手









アラタ「ひっでー奴だな？」









アラタ「いいよ！俺が起こすから

その変わり

ちょっとバッグ持っててくれる(笑)？」








私の前に神降臨！








先輩にだけスポットライトが
あたってるように見え
まわりの景色は全て消えた








・・・・フリーズ







アラタ「おーい」







ハッとしてあった目と目








アラタ「ごめんね？ちょっとだけいい(笑)？」









そう言って差し出されたバックを
私はほぼフリーズ状態で受け取った







先輩が自転車を起こし









アラタ「ありがとう(笑)」








バックを受け取った状態のまま
固まっていた私に笑顔を見せる先輩









アラタ「制服・・・

うちの学校だね！何年生？」








A「・・・・・１年・・・・です」







アラタ「１年か。

俺は３年。ノハラアラタです(笑)」







・・・・知ってます！
よく存じ上げてます！
心での勢いのいい返事も虚しく
目も合わせずただ頷くしか出来ない








アラタ「名前は？」









A「・・・・・Aです」








アラタ「下の名前は(笑)？」









A「・・・・・・Aです」









アラタ「Aちゃんね(笑)

オッケー！じゃーまた学校で！

遅いから気をつけて帰るんだよ？」

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