無口な彼女 [hiromitsu.k]

Chapter30 言葉飛び交う日々 ページ31

北山

『リカさんですね

会う度ベレー帽だったので

好きなんだなって思って

色は俺の好みで選んじゃいました

もしよければ歳、教えてください 北山』



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A

「２４歳です

今年、２５歳になります

ピンクのアイテムは

私の家に初めてやってきました」



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北山

『自分の年齢言う前に

聞いてしまったと気づきました

ごめんなさい

俺は２８です

今年の９月に２９になります

ピンクもしかして嫌いだった？

ごめんなさい 北山』




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A

「私も変な言い方して

ごめんなさい

嫌いというか

似合わないと思って避けていました」






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北山

『そうかな？

その薄いピンク似合いそうだと

俺は思ったよ

何か気持ち悪くてごめん

でも持ってない色でよかった

グレーは持ってた？ 北山』



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A

「濃いピンクだったら

もしかしたら被る前に断念

してたかもしれません

ベレー帽は

赤と黒しか持ってませんでした

グレーは好きな色です」




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北山

『それはよかった

凄い気になるんだけど

家の中でも帽子被ってるの？ 北山』





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ここまで１週間以上のやり取り







１日かけて届く彼からの返信に
戸惑いつつも
なんだかんだで言葉を
選びながら返信してる自分







そしてなんとなくドアから顔だけだして
確認する作業も少し慣れ始めている自分







彼と話したいというよりは
何かその非現実的な世界が
小説の中の話みたいで
楽しかったのかも知れない






その日の夜
珍しく出かけた先






夜に出かける事はほとんどないけれど






２か月に１回行く場所がある








閉店後のマルの働く美容室







アシスタントさん達も
居残り練習する中で
マルにおまかせで
スタイリングしてもらう








マル「だいぶ伸びたね

春になったし今年も切りますか・・・・」








A「うん

私もそのつもりで来た」








私の髪の毛も毎年ローテーションを
繰り返している








春先にボブにして
１年のかけて伸ばしてまたボブに戻る







冬は暖かく
夏は涼しく







本当はずっとボブでもいいんだけど
なぜかこのスタイルで定着した









カラーもマルのおまかせ
好みをわかってくれる唯一の人なので
出来が不満足だった事は一度もない

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