無口な彼女 [hiromitsu.k]

Chapter28 なぜ？ ページ29

数冊ほど試し読みして








メモ紙に購入を決めた
タイトルと作者を書いて図書館を出た









・・・。








マンションのに着き自分の部屋の
数歩前で止まった足







出た時にはなかったドアに貼られた紙。








とりあえずメモを取り中に入る








手洗いうがいをして








ソファーに座って広げたメモ紙









『ベレー帽似合いますよね

Aさんですね

俺は北山宏光(ヒロミツ)って言います

ミツとかキタミツとか

そんな感じで呼ばれています

よければAさんの

名前も教えて下さい 北山』








『なぜ？』







思わず声に出た私の声






昨日までのやり取りはわかる






でも今日からのやり取りに
何か需要はあるのだろうか？







特に名前







隣同士に住んでて
まだ苗字のやり取りは理解出来る









ただ下の名前は・・・
この先同じマンションの人に
自分の名前を呼ぶ展開何て
想像も出来ない・・・・









もしかして・・・・








北山さんももしかしたら
やめたいのに
おでこの事がある手前
気を使ってるとか？








このやり取りはどうすれば終わりが
来るんだろう？








・・・よし。







取り出した便箋







『もう気にせずに』







これだけでいい。








何かよくわからないけれど
この時焦りの気持ちがあった






もう十分ですよ





もうやめましょう







さすがに返事はもう書けないでしょう？








そう言いたかったからかもしれない









マスキングテープと便箋持って








いざ！！









ガチャッ









ドアを開けた瞬間








・・・・・・・。








自分の部屋のドアの
前に立つ北山氏！








背後の音に気づき
ゆっくり振り返る彼の姿と
同じタイミングで









自分の部屋のドアを閉めた









息を呑み
ドアの除き穴から覗く世界








半分だけ体を振り返らせている北山さん








軽く首を傾げて自分の部屋に
消えていった








セーーーーフ！








思わずその場にしゃがみ込む








ふーーーーっ








何だろう・・・・
私の生活のリズムが乱れ始めてる







悪霊退散！邪気退散！









・・・とりあえず出直そう

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