無口な彼女 [hiromitsu.k]

Chapter18 隕石衝突 ページ19

１５分後







隣人の部屋の前






俯きながらインターフォンを
指差すポーズのまま
固まること数分









押せ








無理









押さないと指輪は返って来ない








押しても返ってくるとも限らない









そんな葛藤の繰り返し









ダメだ・・・。









下げた指








やっぱり諦めるか・・・・









ガチャッ









ゴンッ！！









・・・・・。









・・・・・。









おでこに走った凄まじい衝撃で
後ろに倒れ込むようによろめく









息するのも忘れるくらい









頭？おでこ？に隕石が
落ちてきたとしか思えない衝撃









「えっ？あっ？うわっ！

ちょっと！大丈夫？？？」








目を開けることさえ出来ずに
衝撃が走った場所を
手で抑える事しか出来ない









誰かの前で泣く事なんて
今まで一度もなかった









違う








正確には目に水分が溜まっただけ








自分の意識とは裏腹に
瞳にじわぁーっと溜まる水分









「痛い？痛いよね？

うわっ・・・まじどうしよう・・・

ちょっと見せて」









そう言って私の手を掴み
もう片方の手で前髪をあげる









顔を覗きこまれ









とっさに左に反らす顔









「あちゃー・・・

・・・・あー結構赤くなってるわー

本当にごめん

とりあえず病院に・・・・」








そこまで言われて
やっと私の思考回路が１%だけ回復し
頭をさげ自分の部屋のドアに向かって
一目散にダッシュ









「えっ？ちょっと！」








その言葉の終わりと同時に閉まったドア








鍵をかけてリビングまで一直線に進み









その場に座り込んだ









・・・・・痛い








痛すぎる









と、同時に思い出す







掴まれた手

前髪に触れた手

近い顔








痛い上に熱い







ピーンポーン






・・・。





ピーンポーン





・・・。





当然の流れだ。









とりあえず聞こえない事にしよう








ピーンポーン






ドンドンドンッ








ドアをノックする音を最後に
彼の気配は消えた









　
　
　
　








気配は完全になくなりその間
自分の気配まで消していた私









とりあえず状態確認









洗面所の鏡に映る
おでこにで出来た
大きめのたんこぶ一つ








わかってるくせに
どこか夢であって欲しくて
指でたんこぶを押してみる








痛っ

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