無口な彼女 [hiromitsu.k]

プロローグ ページ1

現代社会において







人と人とが繋がる







コミュニュケーションツールは







数え切れないほどある









狼煙(のろし)をあげたり

伝書鳩(でんしょばと)を飛ばしたり

飛脚(ひきゃく)に頼んでみたり









そんな時代を生きていた人達が

この時代のツールを見たら

一体何を思うのか








地球の裏側にいる人と
リアルタイムの映像を見ながら会話をしたり








告白や別れ話を表情一つ見えない
液晶画面の世界でしたり








世界中に自分自身の思ってることを
１４０文字以内の言葉で呟いてみたり








例えばロミオとジュリエットが
電話やLINEを使ってやりとり出来てたら？








「あっもしもしロミオ？」

「安心して下さい。死んでませんよ(笑)」






なんて簡単に伝える事が出来ていたら？








きっとあんな悲劇は起こらなかっただろう







きっと二人は内緒で待ち合わせにして
逃げて幸せに暮らしましたとさ、おしまい。








そんなハッピーエンドも
望めたかもしれない。







ただその幸せの裏でもちろん
不幸になった人もいるはず。








コミニュケーションツールの発展は
確かに人と人との距離を縮めたかもしれない









私と彼の場合はどうだろう？









電話もLINEもなかった








でも確かにそこには







彼の声があったし

私の声もあった







彼の文字もあったし

私の文字もあった








そして・・・・









「友情」はあった







ただ・・・







そこに「愛」があったかは・・・・

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