好きって言わない ［yuta_t］

Chapter05 キミの名前 ページ6

突然言われた
そんな一言









A「裕太・・・くん？」









玉森くん「同級生だし

呼び捨てでいいよ

みんなそう呼ぶし」








A「でもいきなり

呼び捨てって抵抗あるよ

なんかあだ名みたいな感じだと

呼びやすいのに」









玉森くん「んーあだ名？」









A「玉ちゃんとか

タマとかって

呼ぶ人多いよね？

それなら私も・・・」









玉森くん「だいたい

そうなるよね(笑)

でももうそれ呼ばれ飽きたし

だから名前でいい」









A「もう注文の多い料理店だなぁー」









玉森くん「料理店って・・・(笑)」









・・・ちょっとだけ出した勇気









A「・・・裕太」









玉森くん「は？うーた？」









A「うーたなんて言ってない！

ゆ・う・たって言ったよ！」









玉森くん「いや今絶対

うーたって言ったわ(笑)」









A「でもでもっ！

『うーた』いいかも！

あだ名みたいで呼びやすいし！」









A「それにうちの犬も

ビーグル犬だから

スヌーピーから取ってヌーピーだし！」









A「で、ゆうたでしょ？

だからうーた・・・

うん！なんかわんちゃんって考えると

呼びやすい(笑)」









裕太「発想が犬と一緒かよ(笑)」







A「・・・ってそうだよね

嫌だよね？ごめん」









裕太「別にいいけど・・・」









A「本当に？

じゃぁ決まりね！うーた！」









裕太「なんか慣れないわ(笑)」









恥ずかしそうに笑う裕太を見て









なんか嬉しかった









そんな会話









そんな距離




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中学1年生。冬。









学校でも話す機会が増え
『友達』と呼んでも違和感がない
関係になってきた私と裕太









冬休みのある日
お使いを頼まれて
駅前のスーパーで買い物をした帰り
駅から出てきた裕太に偶然会った








自然と同じ方向へ
向かって一緒に歩き出す









A「どっか行ってきたの？」









裕太「うんちょっと」









A「もしかして

どっか違う場所の冬期講習？」









裕太「違う」









そっけない返事が次に用意してた
私の質問を止めた









無理に聞くのはやめよう

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