好きって言わない ［yuta_t］

Chapter48 その言葉 ページ49

先輩が懐中電灯を
照らしながら来た道を戻る









A「すいません

なんか寝れなくて

そしたら・・・」









サク「慣れない場所のせいかな？」









A「そういうの平気な

タイプだと思ってたんですけど・・・」









サク「Aちゃんの事

無理に連れてきちゃったかな

ってちょっと気になってて」









A「そんなことないです

本当楽しくて・・・

来てよかったです」









サク「そ？ならいいんだけど・・・」









サク「じゃーさ

もう１つ来てよかったって

思わせてあげる(笑)」









ふいに握られた手









A「え？先輩？ちょっと！」









サク「いいからいいから」









先輩に引っ張られ
足元の悪い暗い道をただ一直線に進む









A「先輩どこ行くんですか？」









サク「もうちょっと！」









そして・・・









鬱蒼とした林の中を
抜け出た先に









A「うわぁーっ・・すごい」









明かりひとつない暗闇から
出てきたせいか









眩しくて思わず
目を閉じそうになった









月明かりが湖に反射して








キラキラと揺れる水面









サク「どう？」









A「本当に来てよかったです」









得意げに笑って頷く先輩









サク「ねーAちゃん？」









A「はい」









サク「お誕生日おめでとう」









A「え？」









サク「もう日付変わったでしょ？」









A「何で知ってるんですか？」









サク「んー・・・

何でか・・・」






　
　
　
　
　






サク「一番わかりやすく言うと

好きだからかな」









A「・・・。」









サク「俺達・・・」









脳裏に蘇る裕太の姿









サク「俺達・・・・付き合わない？」









あの日・・・









あの日・・・裕太の口から
聞きたかった言葉を









目の前に立っている男の人は









いとも簡単に言った

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