好きって言わない ［yuta_t］

Chapter43 今だけは ページ44

A「うーたごめん」








裕太「いや、俺が・・・」








A「違う！私だよ」









A「お気楽になんて言って

そうじゃない事知ってたはずなのに」









A「それから勝手に勘違いして

彼女の事言ったりして

本当にごめんなさい」








A「マフラーも

お守りも嬉しかった

本当にありがとう

お礼も遅くなっちゃってごめん」








裕太「・・・許してくれんの？」









A「許すも何も勝手に私が・・・

私が受験とかのイライラを

うーたにぶつけちゃったんだよ」









裕太「はーーーっ

ってかまじ長かったー」









A「・・・半年以上だね」









安心したのか笑顔を浮かべ








裕太「俺が買ったお守り

効果てきめんだったでしょ？」









A「ん(笑)

・・・家内安全だったけどね」








裕太「ん？」








A「ううんありがとう

うーたのお守りのおかげで

無事に大学生になれたよ」








得意気に裕太は笑った









こうして私と裕太の長い
『戦い』が終わった









変わったようで









何も変わっていないままだったけど









それには気づかないふりをした







　
　
　
　


裕太が帰って









改めて考えて
いないとつまんないなんて言われると
逆に清々しかった









久しぶりに会ったのに
一瞬で私の心を掴んだあなたは









私がいないと
つまらないなんて言うあなたは









私がいないところであの子に

好きだよ

って言うんでしょ？









あの子もあなたに向かって

好きだよ

って当たり前のように返すんでしょ？









もしかしたらそれは
昨日だったかもしれない









もしかしたらここに来る
直前にかけた電話での
会話の中だったかもしれない









私はずっと言えないのに









たった２文字の『好き』って言葉を
言えずにこんなに苦しいのに









だから離れたのに









なんであなたは
私を離してくれないんだろう









一緒にいれないのに
なんで離してくれないんだろう









って思ってたけど








違うね









私が離れられないだけなんだね









でも会えて嬉しかった
ずっと会いたかった
なんて今、認めちゃったら惨め過ぎるから









せめて今だけは
裕太が仲直りしたいからだった
って事にしておこう

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