好きって言わない ［yuta_t］

Chapter31 その先に ページ32

いつもベンチじゃなく
ブランコの前の柵に
座る裕太・・・









目の前には
かわいい顔の女の子









誰だろう？友達？









そのわりには話し方が
ぎこちなさそうだし・・・









もしかしてファンの子？









トートバッグを掴んだ手に
思わず力が入った









・・・とりあえず
１回コンビニ行こう









そして約束の時間５分前になって









A→裕太

公園にいる？









裕太→A

いるよ

寒いから早く来い！









・・・もうあの子は帰ったのかな？









走って公園に行くと裕太は
いつものベンチに１人だった









A「うーた！ごめんね！」









時間はぴったりだったのに
なぜか謝る私









A「今日学校早かったの？」









裕太「え？」









A「制服じゃないから」









裕太「あーうん

今日、仕事だったから」









A「そっか・・・

っていうかテレビとかすごいね

ママとか妹とかも大興奮してたよ」









裕太「うちの家族も(笑)」









裕太「・・・座れば？」









A「うん」









裕太「はい」









差し出されたのはＤＶＤ
１枚にしては大きい紙袋









A「大きくない？」









裕太「ババアがAの

母ちゃんに渡せって・・・

ＤＶＤも入ってる」









A「・・・ありがとう」









裕太「どうなの？最近は」









A「最近？

・・・あっ来月修学旅行」









裕太「どこ？」









A「京都と広島」









裕太「ふーん」









A「全然興味ないのに聞いたよね？」









裕太「ないね(笑)」









A「じゃー聞かないでよ」









裕太「そうじゃなくてさ

A自身は？」









A「私？うーん

特に何もないよ

修学旅行終わったら受験一直線だし」









裕太「受験か・・・そうだよな」









A「うーたは？もう決めてるの？

ってもう決まってるか

すっかりアイドルだもんね」









裕太「仕事の事はともかく

受験しない事だけは決まってる

・・・なんか目指してるものあるの？」









A「ある」

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