好きって言わない ［yuta_t］

Chapter25 どうして？ ページ26

数分後









部屋に響くのは
スイカを食べる音だけ









裕太は目を閉じて寝たまま









本当に寝ちゃったのかな？









寝顔を見つめ









いつの間にこんな男っぽく
なっちゃったの？









背も手も足も伸びちゃってさ









ずるいよ・・・









・・・。









指の上に乗せたスイカの種を
そーっと顔に近づけ
鼻の下にその種を落とした









・・・！！








吹き出しそうになるのを
必死に堪えイタズラ心に点いた火









反対側にも・・・









また種を乗せ
そーっと近づけた指









この辺かな・・・？









！！








突然バチッっと開いた裕太の目









と同時に掴まれる手









裕太「寝てないしっ」









A「・・・ぷっ！」









A「あははははっ

ちょっと待って

その顔でこっち見ないで・・フフッ」









その言葉に違和感を覚えたのか
鼻の下を手で拭うと









胸元に落ちたスイカの種









裕太「お前なーっ！」









起き上がった裕太に
今度はがっちり掴まれた左腕









力ずくで種が乗ったままの指を
私の鼻の下に押し当てようとされ









A「いぃーーやぁーー」









顔をそむけ離れようと必死に抵抗









A「腕痛いっ！腕！

折れちゃうって」









A「ごめんってばー

うーた本当にっ・・・」









・・・本当に痛いよ




　
　
　
　



そう言いたかった









でも言えなかった









裕太の唇が私の口を塞いだから









言えなかった









目を閉じることさえ
出来ないままフリーズ









裕太が離れて









裕太「目・・・閉じてよ(笑)」









それでも閉じることは出来ず
固まる私にもう一度唇が重なって
我に返り裕太を突き放した









裕太「痛っ」









A「ちょっと！！何してるの？」









裕太「何って・・・キスだけど」









A「キスって！

何で？おかしいでしょ？」









裕太「仕方ねーじゃん

したくなったんだから」









A「したくなった？

したくなったからって

出来る事じゃないでしょ？

キスだよ？キス！」









裕太「ごめん」









A「ごめんじゃなくて」









裕太「あーーーっ！

もうわかったよ！

もう二度としません

すいませんでした！」

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