好きって言わない ［yuta_t］

Chapter12 あの日の空 ページ13

見上げた先には
きれいなオレンジ色の空









A「うーた

空・・・綺麗だね」









聞こえたのか
聞こえていないのかは
わからなかったけれど返事はなかった









でも・・・









少しだけ遠回りして









送ってくれた家までの道のりが









裕太から私への









"ありがとう"









に感じたんだ





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中学３年生。秋。









好きという気持ちに気づいても
だからどうしたらいいのか
まだ子供の私にはわからなかった









それよりもまずは
目の前に近づく受験









模試の判定では合格圏内
でも最後まで油断は出来ない









学校に塾、そして家での勉強









既に漠然とだけど
固まりつつある自分の夢
その為に頑張った









本人はそんな意識はなかった
ようにも見えたけれど
確実に前に進み始めてる裕太を見て
一層夢への思いは強まったんだ


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中学校３年生。冬。









ほぼ全員の進路が決まり









私とガクは第一志望の同じ高校へ









ホノカは地元に近い高校









高校に行きたくない言っていた裕太も
最終的には芸能コースがある学校に
進学する事に決めた









本人曰く『とりあえず』









そんな答えだったけど









この時改めて
裕太が遠くなっちゃうと感じた









そして卒業式の前までの２週間









最後の思い出作り
そして担任からのお祝いも兼ねて









個人の意見を尊重した
席替えにしようという計画が持ち上がった









隣になりたい男子と女子名前を
それぞれ１名ずつ書き
それを参考に担任が席を決める









もちろん誰を書いたかは
先生しか知らない









提出期限が明日に迫った帰り道









男子の名前どうしようかなぁ









そう悩む私に裕太は









普通に・・・








本当に普通に・・・









「俺はAって書いた」









ってあまりに普通に言うから









私は「そっか」としか言えなかったんだ









そして隣同士になった私と裕太









それが私の気持ちを
さらに加速させた









卒業したらこうやって
近くにいれる事も
なくなってしまう









卒業式を待たずにホノカとガクが
別れたのも大きかった









卒業式の日
裕太に気持ち伝えよう









そう決めた

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