Chapter08 出逢ってしまった ページ9
向かって歩いて来い
と言われたにも関わらず
急に恐怖を感じその場であたふた
そして耳に入った足音
思い切って顔をあげ前を見ると
目の前から歩いてくる
一人のサラリーマン
４０・・いや５０代？
声はもう少し若く感じたけど・・・
近づく足音の方へ笑顔を作り
スマホを見せるようにして視線を送った
でもその人は私には
視線も合わせず横を通過
・・・違うし！
これじゃーまるで客引きじゃん！
ため息をついて
ふと向けた視線の先には
川沿いに設置された
街灯に照らされながら歩いてくる人の姿
その人は迷わず私の方に
向かって歩いてくる
固まる私
緩めのパーマをかけて
小さい顔に長い手足
風で揺れていた桜の木の葉も止まり
目黒川を流れる水の音が消え
視線の先にいる彼だけが
ゆっくりと違うスピードの中で
生きている人のように見えた
あれ？
この人・・・どこかで・・・？
ただすぐに現実のスピードに戻り
あっという間に近づいてくる
その勢いに圧倒され
よろめき後ろに倒れそうになった
私を受け止めたのは川沿いに並ぶ桜の木
向かってきたその人は私の前で止まった
そーっと顔をあげると
？「ん」
差し出された手
間近で見る綺麗な顔立ちに
さらに圧倒されながら
私は彼から視線を外せないまま
自分の右手を彼の手に乗せた
？「は？ふざけてるの？」
鼻で笑う彼
A「・・・？」
彼は私の手を払い除けて
？「それ。スマホ！」
そう言って私の左手ににぎられた
スマホを指差した
A「あっ！ごめんなさい」
すぐに自分で態勢を戻しスマホを渡す
？「・・・ったく！」
怖い顔で私から受け取った
スマホを操作し始め
その光景をただ黙って見ていた
？「っつーか中とか
見たりしてないよね？」
A「し、してません！
ロックかかってたし・・・」
？「解除しようとしたんじゃねーの？」
A「そ、それは最初
自分のものだと思って！」
本当かよと言う表情で私を睨んだ目は
またスマホに戻された
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nico(プロフ) - 由貴さん» コメントありがとうございます！藤ヶ谷くんのイメージを壊さないように書いていければって思ってます★ (2016年2月19日 0時) (
レス) id: 4943dbdf4d (このIDを非表示/違反報告)
由貴(プロフ) - こんばんは!!凄く良いですね!!太ちゃん格好いいです!! (2016年2月18日 1時) (レス) id: bf39404b50 (このIDを非表示/違反報告)
nico(プロフ) - ゆなさん» コメントありがとうございます！これからも明るい要素を取り入れラブコメチック全開で頑張ります！ (2016年2月15日 22時) (レス) id: 4943dbdf4d (このIDを非表示/違反報告)
ゆな(プロフ) - おもしろいです(^^)時折クスクス笑ってしまう会話とか最高です(笑) (2016年2月15日 20時) (レス) id: 8abb1e480e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：nico
| 作成日時：2016年2月7日 13時
