アラニュエの森 (ページ13)

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＊せんもんはなに？ページ13

ご飯の片付けは、サトの魔法によって行われていた。

宙を飛んでいく皿たちを、興味深そうに眺めている二宮。

自分たちにとってみれば当たり前の光景だが、そうではないらしい。

「三人も研究者だったの？」

じゃれついてくるユキをマサに渡して、サトは櫻井を見る。

「そう。地球っていう惑星の出身なんだけど」
「チキュウ……？」

聞き慣れない言葉に、サトはマサと顔を見合わせる。

どこにあるのかも分からない惑星だ。

本当に、全く知らない場所からやってきた人たちらしい。

「さっきも言ったけど、ここはソルセルリーって惑星なの。魔法の惑星。僕もマサも、魔法を使って生活してるの」

皿を眺めていた二宮が苦笑する。

「目が覚めてから、何回もその魔法ってものを使ってますよね。私からしたら、ものすごく気になる現象ですよ」

確かに、二宮はずっといろんなものを不思議そうに眺めている。

首を傾げたマサ。

「そんなに不思議なの？」
「はい。どうやって皿を浮かせてるのか、とか」
「それは魔力だよ」

当たり前のように言うマサを見て、サトは苦笑する。

「その魔力、がわからないからニノは不思議がってるんでしょ。ニノも、サクも、マツも、みんな魔力を持ってない」
「そっか」

残念そうにするマサ。

そんなマサの顔をユキは慰めるように舐めている。

「分からないかもしれないけど、一応私たちの専門を教えておきます。私、櫻井は位置天文学が専門です」
「二宮、重力波天文学が専門です」
「俺、松本は宇宙医学の専門です」

紹介されたが、本当に何一つわからない。

聞いたことのない単語の並びに、思わずマサと顔を見合わせてしまった。

「サトは何の専門なの？」

櫻井に聞かれ、首を傾げながらサトは答える。

「専門が何かって言われたら困るけど、学園では水魔法学の授業を担当してるよ」
「水魔法学に関しては、サトちゃんが学園の最高責任者だよ」

横から補足したマサを、じとっとした目で見るサト。

「余計なこと言わなくていいの」
「ごめんなさーい」

マサはえへへ、と笑い、反省している様子はない。

はあ、とため息をついたサト。

まともに取り合うと疲れるため、ほどほどに関わるのがちょうどいい。