Cinq-cent-onze ページ30
『...』
唸る出場者でたくさんの
コンビニ内
一通りの食材は中にある
けれど...
ハーブ類の香りはもちろん
遠月や、裏の仕事で扱う食材に比べたら
やっぱり少し香りが拙くて
でも
高級食材だけが料理ってワケじゃない
『何作ろうかな....』
その時
-ドンッ
『あ、すみません』
あまり周りを見ていなかったのか
誰かにぶつかってしまって
「...A?」
『サク・チェシタ』
その先にいたのはまさかの司
...やば
仮面していてよかったよ
『表の死神に探されてはいたけどね』
「...」
『今は試練だろ?』
「...」
『負けないよ、遠月学園元第一席』
とりあえず、リオに言われた通りに逃げようと
一方的に言わせてもらって、背を向ける
すると
「じゃあ....また後で」
‘‘また後で’’?
後ろからそんな声が聞こえてきて
『流石にバレた...?』
なるべく視線を切るように
人混みの中に隠れることにした
(「竜胆にも伝えないと
なんで嘘をついたのかは知らないよ、けど...」)
(「わかりやすいね、否定しなかったし...
フードの中
耳、見えたよA」)
ーーーーーーー
いくつか食材を見繕って
調理台に戻ってきた
『....うーん』
コンビニ商品を一万円に
改めて考えると、結構難しい
名前の通り
本来コンビニは便利、手軽さが売り
つまりはターゲットの客層がなく、万人に受けるように
独自の色がないという事で
『元々の味付けの設定が違うんだよなぁ...』
高級なレストランとかになると
そこに行けばこういう料理、と店独自の色が見えてくる
もちろんそれを売りにしたりして店を売っていくものだから
色がないコンビニ商品を使って
色を作り上げる美食を作らなければならない
なかなかメニューがまとまらなくて
考えていると...
「お待ちどう!!
即席!牛肉缶すき焼き御膳っす!」
ランタービさんの審査台の方から大きな声
『最初は幸平か....』
どんな感じの審査かな、と
意識をそちらに向けて見ると
そこに出された皿は
すき焼きを模した、定食御膳
牛肉にネギ、しめじ、豆腐、黒胡椒、生姜、と
見栄えはまさしくすき焼き
香りも悪くない
「……美味ね
牛肉を主役にしっかりとしたうま味の
土台を作り上げ
濃厚かつ食べ飽きない
美味しさになっているわ」
審査員の評価も上々
しかし....
「あぁもう!、日本円しかないじゃない
仕方ないわね!、いいわ円でも!」
「ストップストップ!
100ドルどころか何でマイナス!?」
そう簡単にはいかない、か
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blu (蒼)(プロフ) - 雑食の腐女子さん» 「あら、えりなばっかりじゃなくて私の出番もちゃんと見てってね」 (2021年11月1日 10時) (レス) id: 55c7ca7037 (このIDを非表示/違反報告)
雑食の腐女子 - とても面白かったです続き楽しみにしています (2021年10月28日 9時) (レス) @page3 id: 1927aaa4c8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:蒼 | 作成日時:2021年10月27日 6時