Quatre-cent-vingt-quatre ページ39
(!後半シリアス［死ネタ］注意!)
ーーーーーーーーーーーーー
懐かしい、事を思い出した
『おとーさん、これ持ってっていい？』
「おー頼むわ」
小さい掌で小皿をつかみ
『おかーさん！』
「あら？、また降りてきちゃったの？」
卓が並ぶホールに何人もの人がいて
その中でもフランスじゃ珍しい青みがかった黒髪の女性に駆け寄る自分
『おとーさんから』
「あら、もう立派なスタッフね」
営業中だから
衛生の問題で頭を撫でられたりすることはなかったけれど
それでも、
ありがとうと笑ってくれる母や
厨房でフライパンに集中する父が見たかったんだと思う
もうあまり覚えていないけれど
Le couple de Bonnes méchants
多分両親がこんな異名になったのは
アレだろう
「あーら？、また来たのかしら」
「次もアレなら、マズいって評判を広めやる」
「それは貴方がツケだとか言って料金を踏み倒すから
折角専用を考案してあげたんだから、感謝なさいな
うちの主人と私の特製よ？」
両親は、とにかく常識のない客には徹底的にやり返すタチで
専用メニュー=ブラックリストと呼ばれてたらしい
多分、これが悪者って言われてた方かな
母さんキレると怖かったし
けれど
「す、すいません…」
「あら、お腹空いた？」
「でも…」
「いいのよお金なんて
貴方が大きくなった時に他の人に何か優しくしてあげなさいな」
「…リゾットかな、
A、水」
『はーい』
「あ、ありがとうございます!」
来るもの拒まずと言った感じで
色んな人に食べさせてあげてたし
ちゃんとその人自身を見ている人達
…だったと思う
そして、ある日
「…仕入れ行くか」
「車出す？」
『わーい、きょうはどの見分け方
教えてくれる？』
「そうねー？、牛肉とかはどうかしら」
家族三人で仕入れに出かけ
-ｷｷｰｯ!!!!
「…っ!?」
『…おとうさん!!』
「頭を守りなさい!!!!」
少しおかしな車が対向車線から突っ込んできて、
避けようとしたウチの車は
横転してしまった
「おい、大丈夫か!」
『…おかあさん達が…!!』
「こっちだ!!」
中々大きな事故になってしまって
後部座席にいた僕は
その場の人たちに助け出されて
大丈夫、大丈夫と誰かに抱きしめられていた
けれど
「!…ショートしてる!!」
「ガソリン漏れてるぞ!!」
「離れるんだ!!」
『まってよ…っ
おとうさん!!!!、おかあさん!!!!
いやだぁぁぁあああああ!!!!!!』
最後に見えたのは
炎上する車の隙間から少しだけはみ出た
“「「A」」”
両親の手
Quatre-cent-vingt-cinq[両親編終わり]→←Quatre-cent-vingt-trois[両親過去編]
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 76人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
blu (蒼)(プロフ) - ぷるさん» 「どーも!!、漸くオレの出番なんで、ちゃーんと食ってってくださいよ!」 (2021年4月28日 8時) (
レス) id: cb665f2842 (このIDを非表示/違反報告)
ぷる - 続編おめでとうございます！これからﾜｸﾜｸして待ってます！ (2021年4月26日 7時) (レス) id: 39613b56f2 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：蒼 | 作成日時：2021年4月26日 2時
