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Quatre-cent-trois ページ20

『しかも、味見は神の舌だろ?』

「ええ」


幸平君の発想力は凄いし
それをサポートするのは
味に正解を教えてくれる神の舌


「…そうだな、

此処まで複雑な要素…
普通であれば組み上げる事すら不可能だったはず

神の舌、啓示によって
この品は確かに
スペシャリテ、と呼ぶべき出来に仕上がっている


司の白き鎧の皿に勝るとも劣らないレベルで…」




『…』

「…Aさん!?」



マジか、



目をつむり
思わず上を向いてしまうと
リオを驚かせてしまった

深呼吸をすると
顔を下ろす



『いや、ちょっと悔しいなって』



人間関係なら沢山後悔したけれど
料理で悔恨なんて久々に感じた



『ほら、言っちゃえばボクも神って入ってるじゃん?』

「そうですわね、一語前が物騒ですが」



少し自分を自慢するようだけど

司と竜胆のコース
僕も勿論今できる限りで最大限の助言をして
二人も僕の事を製作者に混ぜてくれて嬉しかった



『負けちゃった』



薊さんからの評価じゃ
幸平君の腕だけでは、出来なかったあの前菜
それを可能にしたのは神の舌


ああ、悔しい、



『やっぱ、欠けてるならもっと頑張らないとね』

「無理してはいけませんわ」



それに、とリオが続ける



「今の薊総帥の評価は…
単体で、ですわよ」


「ただしそれは単体での話しだ」



丁度薊さんも、ガラリと評価を変えた





「司の品は数段階ブーストされているのだよ…
竜胆の前菜による効果でね」




まぁ、それは明らかなんだけど



『今の幸平君の皿…
どう見ても次のメインが想像できないんだ』

「それに、先ほど決まったじゃんけんですわ」



前菜の役割は
いかにメインを助け、客の食欲を開かせ
期待感をもたらすか



十傑側は鹿肉をメインにおいて
合わせる食材もそれに合うようにキノコを使った


けれど




「だが一方のキミがやった事は…
前菜でメイン級の料理を出し


コース全体を破綻させた…


“最悪手”」




やっぱり、
経験と知識の差、かな



『考えてみれば、いつも単皿調理だったよね、彼』

「そうですわね、グループの調理は遠月の授業にもございますが」



コース料理は一皿一皿の出来は勿論の事
横のラインも必要になって来るからこそ
様々なシェフが試行錯誤してその仕掛けを張り巡らせる



「一皿だけで
いくら満点に近かろうとも、

このコース勝負においては0点だ」



すると



「…幸平

向こう見ずな野郎なのは
重々承知だが、ここまでの無策をやるヤツか…?

何か…企んでるんじゃねえのかよ…!?」


『…』


これ以上に、まだ何かあるんだろうか

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blu (蒼)(プロフ) - ぷるさん» 「どーも!!、漸くオレの出番なんで、ちゃーんと食ってってくださいよ!」 (2021年4月28日 8時) (レス) id: cb665f2842 (このIDを非表示/違反報告)
ぷる - 続編おめでとうございます!これからワクワクして待ってます! (2021年4月26日 7時) (レス) id: 39613b56f2 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名: | 作成日時:2021年4月26日 2時

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