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Trois-cent-quatre-vingt-dix-sept ページ14

司がオーブンが出したのは



「塩釜…」

『そ』



オーブンに入れられた塩釜を
料理用の木槌でパカリと打てば
ビキビキとヒビ割れて


其処から現れたのは




「光り輝く赤身肉が現れやがった!!」




出来は最上級
問題なさそうだ



「あれは…」

『鹿肉』




切り分けてサーブに向かう司



「よし、出来た
これが俺のスペシャリテ…

“白き鎧の皿、Sauce chevreuille(ソース・シュヴルイユ)”」

「!!」

「シュヴルイユ、すなわち鹿肉が主役のメニューさ」



幸平君は多分以前の勝負を思い出しているんだろうな


フレンチの出汁
鹿肉のフォンで仕上げたソースと
塩釜によって風味や肉汁
全てが余すことなく閉じ込められ


盛り付けの色鮮やかな出来上がりは
第一印象の香り、見た目
客への期待感も倍増されるだろう




「だ…ダメです

この芸術作品を崩すなんて私には無理です!!」





アンさんもうナイフ入れられないじゃん



「流石司だな」

『凄いよねえ』

「ねー」



クラージュさんがうしろからアンさんのナイフを
取って食べているけど
もう衝撃で言葉が出でいない



一方の司と言えば



「何なら幸平も食べてみる?
あの時の鹿と比べてみればいいよ」




「ねーA」

『ん?』

「あの時ってなんかあったの?」



そう言えば、もも達は知らなかったか




『ちょうど…残党狩りの頃かな
司と幸平君、第一席をかけて勝負してるんだよ』

「なんと…」

「ふーん」



そう説明を挟めば
少し驚いた斎藤と、ブッチーを持つ手に力が入っているもも



「でも、その時はアレ出さなかったんでしょ」

『あぁ、手加減してた』



そう言って調理台の方を見上げれば



「!!」




インパクトに驚いたんだろう
前の勝負と似た時のような
圧倒されている幸平君




『色んな食材に対して司は詳しいけれど
鹿肉は特に詳しいからね』




多分、アレよりももっと上の皿が出て来た事に驚いたのかな


白き鎧、
言ってしまえば塩釜の事


しかも




「なるほど、だからシイタケか」

『そうそう』




キノコは鹿肉をさらに柔らかくしてくれる成分を持ち
前菜が竜胆のシイタケのミルフィーユ

それに加えて司のスペシャリテにも
シャンピニオンなどのキノコがふんだんに盛り込まれている



『キノコの旬は9月〜11月くらいが美味しい季節なんて言われているけれど
今の時期じゃ、丁度天日干しとか冷凍とか
いい保存をされた、質の高いものが出回る季節だからな』


二人のコースは
きのこが二つの皿をつなぎ
栄養、もたらす効果等

歯車がきっちりかみ合っているみたいだ

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blu (蒼)(プロフ) - ぷるさん» 「どーも!!、漸くオレの出番なんで、ちゃーんと食ってってくださいよ!」 (2021年4月28日 8時) (レス) id: cb665f2842 (このIDを非表示/違反報告)
ぷる - 続編おめでとうございます!これからワクワクして待ってます! (2021年4月26日 7時) (レス) id: 39613b56f2 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名: | 作成日時:2021年4月26日 2時

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