8éme livre Mort de 3éme année

Trois-cent-trente-neuf ページ5

『引き算による調整…ｺﾞﾎｯ、つまりは少し何かしらの味が少なくなる』

「対して幸平君はとりあえず全部合わせてうまい具合に、と言ったわけですか…なんとまぁ」

『それで斎藤に…十傑にあんな顔させる程レベルが高い皿を出してくるから凄いよね…ｺﾞﾎｯ』


本当に怖いなぁ…




今回のカードは斎藤の洗練された一本の刃か、
幸平君の無数の刃か

どちらが上回るかの勝負って事



調理台の方を見ると、



「お主…何故だ、

何故、ここまで強く…!」



驚きからなのか、目を見開いた斎藤に



「やべーかもなって…分かってたからっす」



幸平君は笑顔を見せる





「刃一本じゃ、先輩に勝てないってね!!!!」





『やっぱり…ｺﾞﾎｯ』




「あったりー、さすが俺」

「ナルシストはうっとおしいですわよ」

『…ｺﾞﾎｯ』



段々と成長を続ける一年生を見下ろす



反逆者の後輩君たちの力は
個だとまだまだかも知れないけど…



纏まったとき、




『まさか…』




一席と二席に…
遠月最強の二人に


司と、竜胆に


届くんだろうか




ーーー



3rd bout、第一カード
両者の実食が終わり、
後は審査員の判定を待つのみ



今回の幸平君は、自分の腕にプラスして、
団体の…チームの力を乗せてきた


以前のアキラと行った殴り合いの勝負と言うわけではないけれど、
今回もかなりせめぎ合いの勝負になったのは間違いない



すると、



「負けぬ為に刃を磨き上げてきた俺に対し、
勝つために何本も折られようとも向かってくるお主もまた、

武士道を極めし武士という事か」




静かに斎藤が言う



それに対し


「俺はただの一年坊主っすよ
でも、今までいろんな奴らとぶつかって来ましたからね

遠月のみんなとの研鑽が、俺の後ろに着いてくれてるんす」



幸平君の言葉が、会場に響き渡る





『なんというか…ｺﾞﾎｯ、幸平君カリスマ性出てきた?』

「まぁ、少なくとも言いなりの会場生徒よりかはマシなのでは?」




直に見るのは久々だったからかも知れないけど
前に眩しいと思った彼の強さが
目も開けられないほどに強くなっているように見える
　
現に、あれだけ嘲笑してた観客が幸平君の話に聞き入ってるしね





そして




「俺は遠月学園高等部一年
第９２期の、幸平創真っすからね！」



「真の武士道はお主にある



……完敗だ」





『まじか…ｺﾞﾎｯ』

「ついに四席まで倒しやがったか、
反逆者のルーキー共」





「満場一致!

勝者は…

反逆者連合……幸平創真!!!」




これでまた盛り返した




そして


また、僕に回ってくる

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