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「オマエ確かピアス開けとったよな」

『あ、うん』



片耳は既に埋まっとるんやけど
なんか、特につけたいとも思わんくて
片耳は空っぽや




「耳、Aさんなら隠れるやろし
目立たなくなるんやないかってな
簓がピアスに改良してきてん」

「ピーン!」

「ま、金はおいちゃんだがな」

「店選んだのは俺や!」

『...』





手の中で存在を放つ小さなソレを見ていると
少し、むず痒くなってきた

今の俺は、下手したら中王区から追われかねない
危ない人間で

遠巻きにされても仕方ないのに
簓くん達は俺から離れずに
むしろそばに居ろと言う




「ほれ!、つけてみい」

『ん』




軽い方の耳にもらったピアスをつけると
チャリ、と音を立てて揺れるシンボルマーク



『....』




恥ずかしいやら、嬉しいやらで
言葉が出てこーへん


すると





「ええやん!」

「もう片方と歪になってごめんなぁ」

「ま、いいんじゃねえの」




ぽふっと簓くんが肩に手を置いて笑いかける




その暖かい顔を見とったら







『....う』






「おい簓!、何泣かしとんのや!!」

「いやいやいや!、俺やないわ!!!」

『あ、いや...っ』





情けなく、視界が霞んできて
みっともなく人前で涙を見せてしまった



そんな俺の前に
盧笙君がかがみ込んで




「Aさん、今まで頑張ってきたんやろ
そりゃ疲れが出てもしゃーないわ」

『....』

「寂しい思いさせてすまん
これからは、俺らもおる

いつでも笑わしたるよ、コイツが「俺かい!!」」

「お前芸人だろうが、簓」

「俺らコンビやろ!?」




『...っふ』




どうやら、こっちでも
俺は良い仲間に恵まれたらしい





『.....改めて、これからもよろしく』

「「「おう」」」




結局

視界が綺麗に見えるまでしばらく掛かってしもて
治るまでにワタワタしてる簓君に
落ち着くまで背中をさすってくれた盧笙君

おっさんは珍しく自分で酒持ってきてて






「ほんなら!
歓迎会や歓迎会!」

『.....もう深夜やぞ?』

「つれねえ事言ってんじゃねえよ懐刀クンよ」

「ま、今日くらいはいいんやないか?」

『盧笙君がオッケー出すなら飲もか』

「切り替え早ないか!?」





俺が泣き止んだ後
その日は浴びるほど酒を飲んで
みんなで机の周りに雑魚寝して

次の日もれなく二日酔いになったんやけど






「なんでお前二日酔いにならんねん!」

『酒に溺れて口滑らさんようにって
公安入ってすぐ鍛えられるんや』

「改めておっかないわ....」

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blu (蒼)(プロフ) - 紫響さん» 『連絡おおきにな、最近ウチの駄作者頭ポーンしとったんやけど、最近の簓君達見てまた作っとるんよ、もーちょい待ってくれるとありがたいわ』 (10月12日 20時) (レス) id: 09b430d25a (このIDを非表示/違反報告)
紫響(プロフ) - 初コメ失礼します!次の話がパスワード入れないと読めなくなってて困ってます💦 (10月12日 20時) (レス) @page50 id: b7abaf5ff0 (このIDを非表示/違反報告)
blu (蒼)(プロフ) - 「ったく、ケツ叩いて起こさねえとすーぐダラけやがる、おいちゃんから伝えとくぜ、ありがとよ」 (2023年5月5日 18時) (レス) id: 32bbfb5af2 (このIDを非表示/違反報告)
めろり(プロフ) - はじめまして。続き楽しみにしてます。 (2023年5月2日 22時) (レス) @page45 id: 381da42470 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名: | 作成日時:2022年1月30日 10時

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