・ ページ37
さて、
『帰ってきてもうたなぁ...』
「早く開けろよ」
くぁ、と後ろで呑気に欠伸するオッサン
こちとらそれどころや無いってのに
目の前には扉一枚
間違いなくこの向こうには
二人がおるんやろう
『....』
公安になってからの人生に後悔はない
若干の罪悪感はあるんやがな
ただ
残っとるのは
違う世界なら全部を話してもええやろうに
恩人達に隠してきたって事だけや
すると
「止まってるだけでも
時間の無駄だぜ?」
『はぁ〜』
痛いとこチクチクくるんやから
...ったくこの詐欺師は
しゃーない
ぐっとノブを掴んで
滞在しとった部屋のドアを開けると
「はい確保ーーーーーー!!!!!!!!!!」
『へ....?』
薄暗い部屋と
真ん中に置いとるテーブル
この部屋いつ取調室になったん?
と言わんばかりの模様替え
そんで極め付けは
「ほらキッチリカッチリ吐いた方が楽になるでー?」
『いや、それスーツとかの言い回しやん...?』
「やかまし!」
どこで揃えたんか知らんけど
パチモンの手錠をかけてくる警察姿の簓君
....いや似合わんとか思っとらんけど
とりあえずポカンとしとる間にも
ズンズンと歩いてきはる簓君に
真ん中の容疑者の席に座らされた思うたら
本人は向かいに座りよる
すると
「とまあ茶番はここまでにしといて!」
「ガクッ」
『あ、盧笙君おったんや』
「コイツに巻き込まれてな!!」
あっさりポイポイ衣装をチェンジした簓君に
いつも通りの盧笙君のツッコミが飛んどるし...
ほんで
「まぁ...この際ちゃんと話そうや、A」
『ん』
マジメトーンの簓君が切り出した
ーーーーーーーーーー
「先に俺と盧笙で話しとったんやけど--」
ただ話をするだけ
もっと危ない仕事もしてきたってのに
こないに緊張したのはいつぶりやろか
オシゴトとなると
スイッチ切り替えられるから大丈夫なんやけど
多分、今は半分解放されたようなもんやからやろうな
もう、ボクは中王区に
目をつけられた危ない人間やから
ストレートに別れのご挨拶かなーと
思っとったんやけど
「そないに泣きそうな顔せんでも
さよなら、なんて言わへんよ、Aさん」
『!』
ーポン
突然、頭に温かい手が乗っかる
「あ、コラ盧笙!
なんで言うてまうねん」
「意地悪いんや、お前は
ニヤニヤと笑っとって」
「せやかて、
こないなA見れんで!」
くっそ
『この.....腹黒コンビめ.....クスッ』
72人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
blu (蒼)(プロフ) - 紫響さん» 『連絡おおきにな、最近ウチの駄作者頭ポーンしとったんやけど、最近の簓君達見てまた作っとるんよ、もーちょい待ってくれるとありがたいわ』 (10月12日 20時) (レス) id: 09b430d25a (このIDを非表示/違反報告)
紫響(プロフ) - 初コメ失礼します!次の話がパスワード入れないと読めなくなってて困ってます💦 (10月12日 20時) (レス) @page50 id: b7abaf5ff0 (このIDを非表示/違反報告)
blu (蒼)(プロフ) - 「ったく、ケツ叩いて起こさねえとすーぐダラけやがる、おいちゃんから伝えとくぜ、ありがとよ」 (2023年5月5日 18時) (レス) id: 32bbfb5af2 (このIDを非表示/違反報告)
めろり(プロフ) - はじめまして。続き楽しみにしてます。 (2023年5月2日 22時) (レス) @page45 id: 381da42470 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:蒼 | 作成日時:2022年1月30日 10時