標的74 ページ8
商店街での買い物が終わり、竹寿しでお寿司も買って後は帰るだけ…
と、言うタイミングで頭上からベルさんが降ってきました
傘を片手に持って
ベル「A、荷物持つぜ」
僕「じゃあ、1つお願いしますね」
どうせ屋根の上を伝って来たのでしょう
雨が降り始めたため迎えに来て下さったみたいです
2つある袋のうち重い方をベルさんに渡し、ベルさんの差す傘に入り込みます
重くて腕痛くなるじゃないですか
ベルさん、細いけど筋肉あるから大丈夫ですよ、きっと(笑)
喋りながら歩いて家へ…
そんな穏やかな時間が終わりを告げようとしているなんて、この時の僕は露ほども思いませんでした
帰宅して、家の中へ声をかけても父様の返事がありません。
既に稽古は終えている筈だから、お帰りの一言くらいあってもいい筈…
ゾクリ
悪寒にも似たナニカが背筋を駆け抜け、強い不安が押し寄せ…知らず、僕は部屋の中へ駆け込みました
ベル「？！Aッ」
僕「父様、どこですかッ？！」
ブーツを脱ぎ途中のベルさんの驚いたような声なんて無視して、
半ばパニックみたいになりながら、僕は父様がいそうな場所を片っ端から探します
父様の寝室、居間、客室、台所…
そして、道場
僕「父様？」
手が震えるのを無視して、僕は道場へ足を踏み入れました。
そこには、道場の真ん中で仕事着を着た父が仰向けで倒れていました。
…血溜まりの真ん中で…
嘘だ
うそだウソだ嘘だうそだウソダ嘘だウそ…
なんで？
どうして？
いや、まだ、死んでなんか無いですよ
ただのおふざけですよきっと
長期的に家を空けたから拗ねてるんですよ
僕が近づけば、何時もの笑顔でお帰りって迎えてくれるんですよ
恐る恐る近づき、首に手を当て…
脈が………
……………………無い
まだ、暖かいのに
あぁ、逝ってしまわれたのですね
僕を置いて
誰かと戦っていたのでしょう
父様の手には鉞家伝来の双剣が握られ、それも血に塗れていました
僕「つっ…」
あれ？涙ってどうやって止めるんでしたっけ？
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 50人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
Ａｏｈａ - とっても面白いです。更新頑張ってください。応援してます。 (2017年4月9日 22時) (
レス) id: 5f124529f7 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ティグロン | 作成日時：2016年3月26日 15時
