【名探偵コナン】ドS資産家は暴かれない【逆ハー】

12.教えを乞う事は恥ではない ページ34

黒の組織には、行きつけのバーや

よく集まる場所がいくつか存在する

その1つのバーで飲んでいたジン

カクテルはアレクサンダー

勿論、待ち人を思ってそれを飲んでいた



『待ったか？』

カツン、靴音を鳴らしジンの隣に座るランカことアレク

ジ「そうだな…お前を思ってこれを飲んでたところだ」

そう言って、アレクサンダーを見せつけるように飲む

ジンは目線でマスターに酒を出させる

それは、勿論ジン

『…いい趣味してるじゃねぇか』

それを、くい。と煽ると
その飲み姿さえも美しく見えると言いたげに光悦とした顔で見つめるジン

ジ「…で？何の用だ？俺を呼び出すなんてお前くらいだ」

『頼み事があってな』

ジ「！…良いぜ、言ってみろよ」

『お前、ベルモットと連絡が取れるか？』

その言葉に、あからさまに不機嫌になるジン

ジ「…あの女狐は止めておけ」

『？…あぁ、そういう意味じゃねぇよ。ちょいとベルモットに教えを乞う事があってな』

ジ「俺じゃ役不足とでも言いてぇのか？」

『ステージが違いすぎる。女が土俵に上がろうとするようなもんだ』

ランカは、ジンの流れるような銀髪をさらりと触る


『…頼む、ジン』


その吐息のような甘い声に
適うはずもなく、溜息を吐きながら頷く

ジ「…条件だ、今度また任務に着いてこい」

『俺の任務にお前が着いてくるのなら、何時でも構わねぇよ』

ありがとな、と笑い
髪に軽いキスを落とすとあっさり立ち去るランカに

ジンは口元を隠すようにコートの端をあげるのだった









そして後日

ジンは約束通りベルモットをある場所に呼び出す

ジンを待っていたベルモットの前に現れたのは、アレク

その事実にようやく気がついた時には遅く
ベルモットは諦めたように溜息を吐き出す



ベ「随分な呼び出し方ね？貴方が呼んでくれればいつでも来たわよ？」

『連絡先も渡させてくれない連れない美女にはこうするしか無かった情けない男とでも思ってくれて構わねぇよ』

ベルモットは、ナイルブルーの瞳に
ゴクリと息を呑む

暗闇のはずなのに、美しく光るように見えるその瞳に

いつだって自分は惑わされているのだ



その瞳を見る度に思い出してしまう


圧倒的な支配力が
自身の体を駆け巡り縛り上げるようなあの感覚をー



考え事をしてしまったからか

目の前に来ていたアレクに一瞬息を止める

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