その2 ページ49
爺「…愛人に会ってくる」
そう言って出ていくお爺
ランカと銀時は目を合わせると
2人も部屋を出て行こうとする
それを止めたのは、寝たきりの妻だった
自分が病気になったせいで、大好きだった花火を諦めさせてあんなふうにしてしまったという後悔と
そんな花火ばかりの一途な旦那に惚れたのだと言い切る妻
それを尻目に2人は静かに部屋を出ていくのだった
あるお寺の屋敷に着いた2人
銀「…へぇ、ここに愛人を囲ってるって訳か」
『…夜空に映えそうなとびきりの愛人か』
「そうですよ。貴方様のようなとびきりの美女でございます」
そう言って現れたのは、あの屋敷のお手伝いさんだった
「邪魔するなんて下世話ですよ。坂田さん、Aさん」
その時、派手な爆発音が響く
銀「おいおい、爺さんハッスルし過ぎじゃねぇの?どんなプレイしてんだ」
『!…銀時』
屋敷の中から出てくるお爺
手には大筒と花火玉を持っていた
爺「オエッ、失敗しちゃった」
それを影に隠れた3人は、それを眺める
銀「花火か…やっぱりな」
『火薬の匂いが強かったからな。お手伝いさんはいつから知ってたんだい?』
「もう、ずっと前から」
銀「外に出たきり、2、3日戻らねぇ時もあるって言ってたが…全部これか」
『全て忘れても…花火だけは忘れられねぇんだな』
「あの人の人生全てですから、体に染み付いているんでしょう体は朽ちても往年の技は消えない。奥様には悪いですが、旦那様は一家庭人である前に職人であらせられる。どうかこのままそっとしてあげて欲しい。職人のまま死なせてあげて欲しい」
『妻を忘れても、体に染み付いたものは消えねぇって事か…』
銀「寂しい話じゃねぇか。俺は人間って奴はもっとマシな生き物だと思うがねぇ。」
目線を斜め下に向ける銀時
ランカも黙って言葉を聞く
銀「頭ん中の記憶が無くなっても、胸の真ん中にぶっ刺さった記憶は。魂に刻んだ記憶は何があっても消えねぇって…俺はそう思いたいね」
『………』
ランカは何も言わず
ただ花火を作り続けるお爺の背中を見つめるのだった
依頼が終わった数日後
ある冬の夜
少し歪ながらも
美しい夜空の華が綺麗に咲き誇っていた
それを見つめながら
ランカは銀時と嬉しそうに目を合わせて
微笑み合うのだった
〜オマケ〜
『銀時に先立たれたら?…死んでやらねぇよ。じゃねぇとあいつの墓守は誰がするんだ』
銀「しゅきぃ…でも先立たねぇからな!」
第三十九訓 メニューが多いラーメン屋はたいてい流行っていない→←第三十八訓(後半) 冬に食べるアイスもなかなかオツなもんだ
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カナタ(プロフ) - マモンさん» 質問ありがとうございます!お返事遅くなりすみません。沖田くんはドSさんの事は憧れと好意が半々という感じです。ただ土方さんには絶対渡したくないというような感じですね!今後どうなっていくのかはお楽しみ下さいまし……! (2019年2月8日 22時) (レス) id: fbcd1047f0 (このIDを非表示/違反報告)
マモン - 質問です。沖田君は夢主の事が好き何ですか? (2019年1月14日 12時) (レス) id: 69cfea310d (このIDを非表示/違反報告)
カナタ(プロフ) - もりこさん» コメントありがとうございます!これからもどうぞゆるりとお楽しみくださいませ! (2018年12月19日 22時) (レス) id: fbcd1047f0 (このIDを非表示/違反報告)
もりこ - 更新きたー(´∀`)嬉しいです、楽しみにしてました!これからも頑張って下さい! (2018年12月15日 23時) (レス) id: f6bdc70858 (このIDを非表示/違反報告)
カナタ(プロフ) - Flower 。さん» コメントありがとうございます!お返事遅くなり申し訳ありません!この作品は更新すると1話がかなり長くなる為他の作品より不定期ですが、今月は毎日作者の作品どれか更新してますのでぜひゆるりとお待ち下さいまし! (2018年12月11日 22時) (レス) id: fbcd1047f0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:カナタ | 作成日時:2018年9月7日 22時