【銀魂】ドS黒死蝶と銀色の魂【逆ハー】part5

第五十八訓 売店ではやっぱコロッケパンが一番人気 ページ12

月夜の美しい夜

隻眼の男が想うのは、1人の女



高「…獣の声が聴こえる、なぁ、ランカ…」



その名を呼ばれた女は

今はまだ何も知らないー








今日も団子屋での仕事をこなしていたランカ

帰り際に店長に呼び止められる


「そう言えば、ランカちゃん！ここいらで最近辻斬りが出るらしいから気をつけなよ！夜しか出ないとは言え何があるか分からんからね」

『辻斬り…ありがとう、気をつけるよ』

忠告に礼を言うと、残り物の団子を片手に
ランカは万事屋へと帰るのだった






ガラリ、玄関を開けようとする前に
勝手に開いて銀時が出てくる


銀「お、ちょうど良いや。これから依頼が来たからランカちゃん一緒に行こうや」

『構わんが…新八と神楽は？』

銀「アイツらはヅラのペット対応してんだよ」

『エリザベス？…なんで…』

不思議に思いつつも、団子を部屋に持っていくと
銀時についていくように歩き出すのだった



2人が辿り着いたのは、刀鍛冶屋
丁度2人の男女が鉄を打っているせいか
大きな音で自分らの事に気がついてないようだ


『おーい！…気がつかねぇな、銀時』

銀「バーカバーカ、どうせ聞こえねぇだろ」

銀時が悪口を小声で言った瞬間
まるで狙った様にトンカチが銀時の顔面に飛んできたのだった



鉄「申し訳ない！！汗まみれで仕事をしているゆえ手が滑ってしまった！」

銀「いえいえー…絶対聞こえてたよ、コイツら」

『話を進める事が先だ』

兄妹で刀鍛冶を営む鉄矢と鉄子

大きな声で常に話す兄の鉄矢とは反対に
極端に喋らない妹の鉄子にランカは微笑ましく見守る


万事屋への依頼は
詰まる所盗難にあった刀 紅桜 を見つけ出して欲しいという依頼だった

紅桜は、鉄矢と鉄子の父親が作り出した
最高傑作と言われるほどの名刀

しかし、紅桜を作った父親が亡くなったのを皮切りに

次々と紅桜に関わった人間が凶事に見舞われた

つまり、紅桜は魂を吸う妖刀と成り果てたのだと言う

話を聞かなさすぎる兄の鉄矢に銀時が大きい声で近づいて話しかけ、殴られる中

ランカはその妖刀について考えていた


『……魂を吸う妖刀…辻斬り…ふむ』

その様子を、鉄子は静かに見つめていたのだったー

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