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煙草 ページ11

“年上彼氏”









朝起きると隣に彼の姿はなかった


時計の針は5時を指していて、いつもより早く起きてしまったことに驚く




リビングを覗いてみると、揺れるカーテンの奥に影が見えた

ベランダにいる彼はきっと煙草を吸っている


近づいて、そっとカーテンをめくると白い煙が目の前に飛び込んでくる


その先にいる彼は、朝日のせいか凄く色っぽく見えた

消えてしまいそうなくらい綺麗で思わず後ろから抱きついた

「…あ、おはよう。今日は早いね」

優しく笑いかけてくれる彼は私の何倍も大人っぽく、かっこよく見える


少しでも近づきたくて

『私も吸いたい』

と言ってみたけれど

「だめ、Aにはまだ早いよ」


笑いながら言われてしまう



せめて同じ気分を味わおうと隣に並んでみる


ふふ、と笑い声が聞こえて彼の方を見て首をかしげると

「ん?あ、いや、可愛いなと思ってさ」

すごく甘ったるい声で言われる


朝から糖分が多すぎて頭がクラクラしそう


再び煙草を吸い始めた彼と雰囲気だけを味わう私

いつもとはちょっと違う朝








そろそろ満足したのか煙草を灰皿に捨てて、「中入ろっか」と言う彼

コクンと頷いて部屋に戻る


現実に戻ってきたような変な感じがする


「こっちおいで」

ソファに腰かけた彼が手招きをしている


吸い寄せられるように彼の前まで行くと隣に座って、とソファを軽く叩いている


ちょこんと座るとぎゅーと抱きしめられた


そのまま、ちゅ、とキスを落とされる




にがい。


これが、煙草の味…、

大人の味って感じがする


顔をしかめる私を見て笑う彼


「苦いでしょ、」


悔しいけど、私にはまだ早いのだと実感する


「もうちょっと大人になったら、ね。」

彼はいつも子供扱いをする




ちょっとした仕返しとして、こっちからキスを仕掛ける


「ん…ちょ、、…んふふ」

最初は驚いたのに、どんどん彼のペースに飲み込まれていく





結局息が上がったのは私の方で、余計に悔しくなった

「いつもより、積極的だね」

と、微笑む彼




大人な彼には敵わない

自分から仕掛けたのに、口の中が苦くて後悔している私は、まだまだ子供

お酒→←おしゃぶり



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莉衣 消えます(プロフ) - そうですよね…また6人の笑い声やトークが聞ける事を祈ります。 (2022年3月16日 6時) (レス) @page20 id: 95d545f96a (このIDを非表示/違反報告)
ミーアキャット - とても、いい作品ですね!これからも読ませてもらいます! (2022年2月12日 7時) (レス) id: f630968584 (このIDを非表示/違反報告)
みる - うぐいすのしっぽさん» コメントまでありがとうございます!私もうぐいすさんの作品大好きです!もちろんうぐいすさんも!!お互い更新頑張りましょ〜!! (2022年2月8日 22時) (レス) id: fb09151678 (このIDを非表示/違反報告)
みる - めるる��さん» ありがとうございます!今後も更新頑張りますのでお付き合い頂けると嬉しいです! (2022年2月8日 22時) (レス) id: fb09151678 (このIDを非表示/違反報告)
みる - ぱるふぇさん» リクエストありがとうございました!応援もありがとうございます!更新頑張ります!! (2022年2月8日 22時) (レス) id: fb09151678 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:みる | 作成日時:2021年7月12日 0時

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