サヨナラ初恋

34.いつまで経っても ページ34

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いつまで経ってもその感触はなかった。


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「バカ」
「…へ？」

翔太センパイは私に…キスなんて、しなかった。

「女の子がダメよ？流されちゃ」

ペチ、と可愛い音を立ててセンパイは私のおでこを叩いたから思わず目を開けるとちょっと怒った顔が目の前にあって。

突然、恥ずかしくなって、唇を噛んだ。




「…まぁそうなる気持ちも分かるし、俺もちょっと自分とAちゃんを重ねて
あぁ、このまま二人で慰め合うのもアリかなとか血迷ったわ。」

近くなっていた距離をセンパイは座り直す。背もたれに項垂れて顔に腕を置いてしまったから表情は分からない。

「…Aちゃんはダメだよ。」
「ダメ…ですか？」
「そう。確かに可愛いなー仲良くしたいなーってゆー下心はあった。そりゃ健全な男子コウコウセーだもん」
「あはは、健全な。」

「でも俺さ見ちゃったのよ」

「見た？何をですか？」

「照とたのしそーにしてるんだけど何処かしんどそうて何かを諦めてそうな顔。Aちゃんは無自覚だと思うけど。やっぱり自分と同じ気持ちをしてる人は同じ顔をするんだなぁって」

思いもよらない言葉になんて反応するのが分からなくてただ、センパイの言葉を待った。



「でも、仲良くなりたかったのはホントだよ？」
「…ありがとうございます。私も仲良くしたかったです。正直、イケメンだと思ってました」
「ぷ、あはは！！正直過ぎる！最高！」

手を叩いて大きな口を開けて笑うセンパイは楽しそうで私もつられて笑った。


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