サヨナラ初恋

23.苦しくて押し潰されそうだ ページ23

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照への気持ちも照の思いも。


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優しい声で握られてる手からは優しい温もりが伝わって苦しくて押し潰されそうだ。

「翔太、好きな奴いんの。」
「…え…？」
「忘れられない女がいるって聞いてる」

知らなかった事実。

「俺から言うのは違うと思うけど、もし…Aが翔太の事を好きになったとしても…うん。」
「………」
「俺はAに辛い思いをして欲しくねぇから、さ」




その瞬間、体の中から何かが落下していくのを感じる。

あぁ、本当に照にとっての私はただの幼なじみでその視界にすら入れてないんだって。

「…そっか！分かった！わざわざありがと！あーなんかごめん取り乱して！」

照の手を離してその大きな背中をドアの外に押す。

「A。」
「もー今日は疲れたからさごめん。」
「……おう」
「じゃあね。」

返事など聞かずにドアを閉めた。遠くなっていく照の足音が聞こえて私はその場にしゃがみ込んだ。





胸がいっぱいになって涙が突き上げてくる。もう止める事なんてしなかった。
ぜんぶぜんぶぐしゃぐしゃで。どうしたらいいか分からないからただ、ひたすらに泣く事しか出来なくて。
泣いたって照への気持ちが消える訳ではないし照が私を見てくれないなんて分かってる。

でも…少しでも…いつもの私に戻れるようにとそう、願った。






「…だいすき、だった…っ」

静かな部屋の中にその言葉だけが響いた。


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