サヨナラ初恋

22.ずるいよそんなの ページ22

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ずるいよそんなの。私にとっては残酷な言葉だよ。


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あの時、照が好きな人が出来たって言われて私も嫌だった、なんて言えば照はどーしてた？
あの子と仲良くなっていく照を見て嫌だったって言えば何か変わった？

なにも変えたくないから、言わなかったんだよ？

でも、照は簡単に言っちゃうんだね。




「…そんなこと、言われても」
「わざわざ、翔太と仲良くする必要ねぇだろ。」
「それを言うならわざわざ照にそんな事言われたくない。」

「A、」

私の肩を掴んで振り向かされる。

「…っ」

「…なんで、お前…泣いて」

「離して！」

照の体温が伝わって触れてるのは今まで嬉しかったのに今は嬉しくない。
苦しい、苦しい。泣きたくなんかないのに涙が流れていくのが肌で分かる。

「私が、…誰と仲良くしようがいいでしょ…？」
「A。」

名前を呼ばれるだけで心臓がギュッと握られてるみたいで苦しくて痛い。

「照は私にどーしろっていうの？誰かと仲良くするのをダメっていうの？ねぇ。」




縋るような思いだった。もうわけわかんないくらい頭の中はぐちゃぐちゃで照の胸を叩いた。苦しくてそんな事したって何も軽くなんてならないのに。

なんの力も入ってない私の手を照が掴む。

「A、聞いて。」
「やだ。」

「お願い、聞いて」

さっきとはまるで違う優しい声。私を宥めるようなそんな声だ。いつも私が拗ねて誰も手に負えないって時は照がそーやって慰めてくれた。

腰を落として私に目線を合わせる。

久しぶりに合った目線は涙で視界が揺れていたけれど照は何故か苦しそうな顔をしていた。


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