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7人が横に並んだ写真を撮りたいとかで北山の横に並ぶ。何故か向き合わせられるカタチになるが後ろからの密着で北山との距離も近く、不意に触れた手に恥ずかしくなりパッと避けた。


「え」と言葉を漏らす北山に気付かないふりをした。少し見えた悲しそうな顔に期待をしてしまう。「なんでそんな顔するの?」なんて聞けたらどんなに楽だろう。年を重ねれば重ねるほど思った事を口に出来なくなり、臆病になった。


それ以降は順調に撮影が進み楽屋に帰って身支度をする。



そんな時にニカが飯を誘ってくるもんだから、困った顔をして渉を見れば大丈夫と言わんばかりにウインクをしてきた。


「今日予定あって!!ごめん」

と先陣を切ってくれたワタに続いて「俺も」とだけ添えれば「ざんねーん」と健永が嘆いていた。






「いらっしゃいませ〜、奥の個室空いてますのでそちらにどうぞ」


いつも渉と来るこのお店の店員さんとはもう顔見知り。ありがとうございます、と頭を下げ案内された個室に入っては身に付けていた帽子、マスクメガネを外す。


「とりあえずビール2つで」と渉が頼んでくれた。
今頃みんなで楽しんでんのかなあ、北山。羨ましい、なんて断った俺が言える分際じゃないけど。何故か対抗心が芽生えてログに渉と飯をいく旨を書いた。


その後すぐに持ってきてくれたグラスを二人で合わせるとごくごくと喉に通す。


「ぷはあ〜、うまいねえ!」

おじさんみたいな言葉を漏らすワタにクスッと笑う。料理をいくつか頼み趣味の話をしたり、愛犬がどうだとか渉の惚気話を聞かされる。その間に何故か沢山お酒注文する渉。「今日は沢山呑め!」との言葉に断れず流し込むと酔いが回ってきた。

「で、ミツの事だけど。」


そんな俺を察してかいきなり真面目な口調で話し出した。

「なんであの時違うって答えなかったんだろうね?太輔が居なくなった後裕太に詰められてて違うって言ってたけど」

「わからないよ、北山が。」


「そんなに、好きなら言えばいいのに」


「そんな簡単な事じゃないんですー。」


「彼女って早とちりして楽屋飛び出すくらいミツの事好きなのになんでそんなに引いちゃうかなあ。」


先程飲まされたお酒の量に身体がふわふわする。そんな俺を見てか「帰ろうか」と肩を抱き上げられる。


ふわふわした中で「北山が好きなんだよ」とだらしなく言った覚えだけあるがそれ以外は覚えていない。

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作者名:妖狐 | 作成日時:2019年10月19日 0時

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