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「いいよ、気にしてない」


嘘、本当はもっと好きになってしまった。


「あの後、すごく後悔して。」


「後悔?メンバー同士でってこと?」


「北山の気持ちは何にも考えてなかったなって。」


「俺が、言ったんだし、気にすんなって。」



少し沈黙が流れる。



「俺、本当は、」


言葉を詰める藤ヶ谷を見ればなぜか悲しい顔していた。
しかしすーっと深呼吸をすれば、藤ヶ谷は何かを決意したような目で俺を見つめた。


「ニカの誘い断ったって言ってたじゃん?そのあと、彼女?みたいな話になって。俺さ、それがすげえやだったの。でもそれを否定しなかった、北山に無性に悲しくなった。」



「・・・お前それって。」



「あの後もニカたちと飯行くって聞いて。その前も結構飯行ってる、みたいな話してたじゃん?俺とは行かないのに、って。
いわゆる嫉妬?みたいな。だからあの日、渉と飯行ったこと書いたんだ。子供みたいなことやめなって後から渉に言われちゃったんだけどね。
それを北山にも問い詰められた時に、俺、やけくそになっちゃって、あんなこと言って。本当に悪いと思ってる。
その後あたりから、急にニカたちと飯行かなくなったじゃん?北山が楽屋来る前とか、結構ニカたちが騒いでて。そういえば、服とか、香水の匂いとか変わったよなって。
俺さ、一回北山が大倉くんに送ってもらってたの、見たんだよね。それで、大倉くんだって思って。その後のラジオの時も大倉くんに会って、ずっと一緒にいるんだって。
それでまたむしゃくしゃして、その日を境に女の人と遊ぶようになった。それで撮られちゃって。迷惑かけてごめん。あの時、わかりたいって、隠してるのはお前だろって言われて、目が覚めたんだよね。
いつしか俺たちは話さなくなって、それで分かり合えるのなんて仕事のことくらいで、実際お互いのこと何にも知らない。だからちゃんと伝えようって思って、北山のこと家に招いた。
でも、北山からの大倉くんの匂いに耐えれなくて、無理やり、みたいな形になって。本当にごめん」





「結局、藤ヶ谷の隠してることはなんだったの?」






「・・・俺、北山のこと、好きなんだ。」

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作者名:妖狐 | 作成日時:2019年10月19日 0時

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